スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。
研究グループは、韓国3都市の青少年被験者715例から、構造化アンケートを用いてスマートフォン利用と眼精疲労関連の眼症状(かすみ、充血、視力障害、分泌物、炎症、流涙、かわき)の情報を集めて分析した。
眼の健康について眼症状の数でスコア化し、二項および多項ロジスティック回帰モデルでオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)、p値を求めて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・眼症状の有病率が高いほど、スマートフォン曝露がより大きかった(p<0.05)。
・1日当たりのスマートフォン利用時間が長いほど、複数の眼症状を有する尤度が有意に高かった(p=0.005)。
・短時間利用(1日2時間未満)と比べて、長時間利用/間欠的利用(1日2時間超/2時間以下を連続的)、および長時間利用/継続的利用(1日2時間超/2時間超を連続的)は、複数の眼症状と関連、ORはそれぞれ、2.18(95%CI:1.09~4.39)、2.26(同:1.11~4.57)であった。
・スマートフォン曝露期間が長年にわたるほど、複数眼症状を有する尤度はより高かった(OR:3.05、95%CI:1.51~6.19、p=0.001)。
(ケアネット)