入院中の心房細動発症、脳卒中と死亡リスクが増大

提供元:ケアネット

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公開日:2016/07/13

 

 入院中に心房細動を新規発症した患者の転帰は明らかにされておらず、同患者集団のマネジメントについて現行ガイドラインは特記していない。米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のDaniele Massera氏らは、入院中に心房細動を新規発症した患者の大規模コホートを対象に、死亡および院内発症脳卒中の発症率を検討した。その結果、入院患者における心房細動の新規発症が、脳卒中の院内発症率と死亡率の増加に独立して関連していることを示した。Europace誌オンライン版2016年5月20日号掲載の報告。

 対象は、2005年4月20日~2011年12月31日に3次大学医療センターに入院した50歳以上の患者8万4,919例。患者を「心房細動を新規発症」「心房細動の既往あり」「心房細動なし」にカテゴリ化し、人口統計学的変数を比較した。一般化推定方程式(GEE)によるアウトカム比較には、傾向スコアマッチ解析を用いた。主要エンドポイントは30日および1年の全死亡、ならびに院内発症脳卒中だった。入院患者のうち1,749例(2.1%)が新規に心房細動を発症した。

 主な結果は以下のとおり。

・入院中に新規発症した心房細動患者の30日および1年の全死亡率は、心房細動のない患者よりも高かった(30日時点:OR 2.28、95%CI:1.72~3.02、p<0.0001;1年時点:RR 1.53、95%CI:1.36~1.73、p<0.0001)。また、心房細動の既往のある患者と比較したところ、30日死亡率は高かったが(OR 1.52、95%CI:1.06~2.17、p=0.02)、1年時点ではこの傾向は有意ではなくなった(RR 1.14、95%CI:0.98~1.34、p=0.09)。
・新規発症の心房細動患者における院内発症脳卒中リスクは、心房細動のない患者よりも高かった(OR 4.53、95%CI:1.36~15.11、p=0.02)。
・新規発症の心房細動患者において、CHA2DS2-VAScスコアは脳卒中の院内発症率と相関していた。

(ケアネット)