【JSMO2016見どころ】血液がん

提供元:ケアネット

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公開日:2016/07/22

 

 2016年7月28日(木)から3日間にわたって、第14回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立って、先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。
 このうち、血液がんについては松岡 広氏(神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科 准教授)が登壇した。以下、松岡氏のコメントを紹介する。

【松岡 広氏コメント】
 血液領域では、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫(B細胞性リンパ腫)の新規治療薬に関する講演に注目したい。多発性骨髄腫治療では良い治療薬に恵まれない時代が長く続いていたが、10年前よりプロテアソーム阻害剤や免疫調節薬(IMiDS)などの画期的な治療薬が登場し、患者予後は大きく改善した。これらは「新規治療薬」といわれ、時代を変えたといわれた。昨年からはさらなる新薬登場が相次いでおり、治療成績の向上が期待される。現在はいわば「新規治療薬の第二の波」といえる。シンポジウム29では、新規プロテアソーム阻害剤をはじめこれらの“新”新規治療薬について作用機序や治療成績について解説される。B細胞性リンパ腫においては、最近、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害剤が慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対する治療薬として承認された。BTKはBリンパ球にとって重要な働きを持つ分子で、これに対する阻害剤はB細胞性リンパ腫治療薬の中で、いわば“横綱クラス”の薬剤になるのではないか、と期待されてきた。シンポジウム28では、BTK阻害剤をはじめB細胞リンパ腫に対する、期待される新しい治療法に関して講演される。

【注目演題】
 本学会で、松岡氏が血液がん関連の注目演題として挙げたのは、以下のとおり。

International Symposium
「Emerging new effective treatments of B-cell malignancies」
日時:7月30日(土)10:10~12:10
場所:Room6(神戸国際展示場1号館2F展示室B)

JSH/JSMO Joint Symposium
「New era of new drugs for multiple myeloma」
日時:7月30日(土)13:30~16:00
場所:Room6(神戸国際展示場1号館2F展示室B)

一般口演
「血液悪性腫瘍①」
日時:7月28日(木)9:00~10:00
場所:Room12(神戸国際会議場5階502会議室)

【第14回日本臨床腫瘍学会学術集会】
会期:2016年7月28日(木)~30日(土)
会場:神戸国際展示場・神戸国際会議場
会長:南 博信(神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科 教授)
テーマ:Breaking through the Barriers:Optimizing Outcomes by Integration and Interaction

第14回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

(ケアネット)