てんかん患者の運動、その利点と障害とは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/08 てんかん患者の運動に関する利点と障害について、定量的手段を用いた研究は行われている。しかし、定性的調査を用いての個人的経験の検討は不十分である。英国・ローハンプトン大学のSarah S Collard氏らは、経時的にてんかん患者の運動についてのナラティブを提示し、てんかん患者の運動に対する心理社会的影響をさらに理解するための報告を行った。Epilepsy & behavior誌2016年8月号の報告。 3~4ヵ月に1回、4例(年齢:23~38歳)へのインタビューが1年間実施された。一様ではない発作型とコントロールより、合計16回のインタビューを行った。運動経験の分析には、ナラティブ分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・運動は心理的および身体的ウェルビーイングに良好な効果をもたらすことが示唆された。しかし、医学的アドバイスや再発性発作の結果としての運動による予防は、社会的孤立、不安、自信の欠如、欲求不満、怒りといった負の効果をもたらした。 ・負の影響を軽減し、運動のルーチン化を維持するためには、運動強度レベルの減少や異なる身体的活動への参加を行う必要がある。 ・運動生活への順応や感情の周期的な変動に対し、時間が重要な因子であることが示唆された。 著者らは「これらの知見は、てんかん患者の運動に対する心理社会学的な利点や障害、コントロール不能な発作に対処する際の注意、運動ルーチン化に及ぼす影響を理解するうえで重要である。今後の研究において、てんかん患者の運動に対する障害を克服し、より多くのてんかん患者が運動の利点を享受することが望まれる」としている。 関連医療ニュース てんかん患者の性的問題の現状 日本人高齢者、運動でアルツハイマー病リスク軽減:九州大学 医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Collard SS, et al. Epilepsy Behav. 2016;61:199-205. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25)