双極性障害と全般性不安障害は高頻度に合併 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/19 不安障害は、単極性うつ病と同様に双極性障害(BD)と高率に合併していることが、最近のデータで示唆されているが、まだあまり注目されていない。全般性不安障害(GAD)は、他の精神疾患と高率で合併する最も一般的な不安障害の1つである。イタリア・カリアリ大学のAntonio Preti氏らは、GADとBDの合併頻度を評価するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。Evidence-based mental health誌2016年8月号の報告。 著者らは、BD患者におけるGADの有無に関する主要なデータが含まれるすべての研究を検索した。文献の選択と結果の報告は、PRISMAガイドラインに沿って行われた。メタ解析は、variance-stabilizing Freeman-Tukey double arcsine transformationを用いて、推定有病率を計算した。すべての研究におけるサマリ効果を推定するため、固定効果とランダム効果モデルを使用し、逆分散法を行った。不均一性を評価し、CochranのQ検定、I2を用いてそれぞれ測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・メタ解析は、独立した研究データ28報より、ポイント有病率研究の合計患者2,975例、障害研究の患者4,919例を分析した。 ・BD患者におけるGADの全体的なランダム効果のポイント有病率は12.2%(95%CI:10.9~13.5%)、全体的なランダム効果の生涯推定値は15.1%(95%CI:9.7~21.5%)であった。 ・両推定値の有意な不均一性が報告された(各々、94.0%、94.7%)。 ・公表文献では、一般集団で報告された文献よりも、高不均一性で一貫して高い有病率が認められた。 ・GADの合併は、より重度なBDや自殺の増加と関連していると考えられるが、このような状態に対する最良の治療は不明である。 関連医療ニュース 双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴 双極性障害患者の約半数が不安障害を併存 双極性障害で高率にみられる概日リズム睡眠障害:東医大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Preti A, et al. Evid Based Ment Health. 2016;19:73-81. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害とADHDは密接に関連している 疫学(頻度)(2013/01/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)