うつ病治療反応、心理テストで予測可能:弘前大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/09/02 気質と性格についての心理テスト[Temperament and Character Inventory(TCI)]は、パーソナリティ特性を評価する際、よく使用される。多くの研究において、うつ病患者の治療反応をTCIで予測する可能性が示唆されている。弘前大学の冨田 哲氏らは、以前の研究でTCIの10項目と治療反応との関連が示唆されていた。今回、同氏らは10項目を再分析し、カットオフ値を明らかにするため本検討を行った。BMC psychiatry誌2016年8月12日号の報告。 本研究は、以前に報告した研究の2次分析として行われた。対象患者は、パロキセチン10~40mg/日を6週間投与し、その後TCIを完了した73例。うつ病を評価するためMADRSを用いた。対象患者は、反応群と非反応群に分けられた。先行研究で、治療反応と最も強い関連を示した10項目について、カイ2乗検定を用いて再検定した。治療反応に関連する項目を「1」、非反応に関連する項目を「0」として評価した。10モデルを用いて予測スコアを算出した。各モデルは、最高1~10項目より1~10スコアで構成された。受信者動作特性(ROC)曲線解析を用いて、治療反応を予測するカットオフ値を定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・治療反応との関連の強さでTCI項目を順位付けすると、174、137、70、237、106、191、34、232、161、215の順であり、TCIは有意に治療反応を予測した。 ・1~10モデルの予測スコアは、有意に治療反応を予測した。 ・モデル7の予測スコア閾値は3/4、AUC(曲線下面積)は0.825であり、本モデルは最高オッズ(19.3)と尤度比(8.86)を示した。 関連医療ニュース 青年期うつ病を予測する小児期の特徴 双極性障害、治療反応は予測できるか うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tomita T, et al. BMC Psychiatry. 2016;16:290. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査を用いた検診は胃がん予防に有効か(解説:上村直実氏)(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)