外来での皮膚外科手術後の創部感染発症率に、使用した手袋が滅菌か非滅菌かにより影響を及ぼすかどうかは結論が得られていない。米国・メイヨークリニックのJerry D. Brewer氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、滅菌手袋と非滅菌手袋とで術後創部感染の頻度に差はないことを報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2016年8月3日号掲載の報告。
滅菌手袋使用群は6,040例中121例(2.0%)
研究グループは、外来での皮膚外科手術における滅菌手袋使用時と非滅菌手袋使用時の術後創部感染発症について調査する目的で、MEDLINE(1946年~)、Cochrane Central Register of Controlled Trials (1991年~)、EMBASE(1988年~)、EBSCO Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature(1980年~)、Scopus(1996年~)、およびWeb of Science(1975年~)を用いて研究を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。
解析対象は無作為化試験および比較試験で、試験デザイン、手術背景および結果に関するデータを、論文および未発表データから独立して抽出した。無作為化、割り付け方法、盲検化および追跡率から研究の質を評価するとともに、術後創部感染の相対リスクおよび95%信頼区間を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・適格基準を満たした14件の研究(計1万2,275例)が本レビューに組み込まれた。
・このうち、単一群観察研究1件を除いた13件、1万1,071例がメタ解析の対象となった。
・術後創部感染症は、1万1,071例中228例(2.1%)にみられた。非滅菌手袋使用群では5,031例中107例(2.1%)、滅菌手袋使用群で6,040例中121例(2.0%)であった。
・非滅菌手袋使用による術後創部感染の相対リスクは、1.06(95%CI:0.81~1.39)であった。
(ケアネット)