アファチニブの投与量調整は効果的?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/09/26

 

 アファチニブ(商品名:ジオトリフ)の有害事象による投与量の減量が薬物動態および無増悪生存期間(PFS)に与える影響について、Lux-Lung3とLux-Lung6研究の結果を解析した結果が発表された。

 アファチニブのEGFR変異陽性非小細胞がんでの標準投与量は40mg/日だが、Grade3以上あるいは症状が持続するGrade2の薬剤関連有害事象が発現した場合は、投与量を最低20mgまで減量することが可能である。筆者のJ C-H Yang氏らがAnnals of Oncology誌オンライン版2016年9月6日号にて報告した。

 この研究では、Lux-Lung3試験とLux-Lung6試験のアファチニブ投与患者(Lux-Lung3:229例、Lux-Lung6:239例)が事後解析の対象となった。評価項目は、アファチニブ減量前後の有害事象発生率と重症度。アファチニブの血漿中濃度の減量群(30mg/日)と非減量群(40mg/日)との比較。無増悪生存期間(PFS)の減量群と投与量維持群の比較であった。

 主な結果は以下のとおり。

・有害事象によるアファチニブの減量は、Lux-Lung3試験で53.3%(122例)、Lux-Lung6試験では28.0%(67例)であった。
・減量により薬剤関連有害事象の減少が確認された。
・減量はアファチニブの血漿中濃度が高いグループでより多かった。
・投与43日におけるアファチニブの幾何血漿中濃度は減量群23.3ng/mL、非減量群22.8ng/mLであった。
・減量群と非減量群のPFS平均値は同等であった。Lux-Lung3試験:11.3ヵ月 vs.11.0ヵ月(HR:1.25)、Lux-Lung6試験:12.3ヵ月 vs.11.0ヵ月(HR:1.00)。

(ケアネット 細田 雅之)