PCI中のランジオロール早期投与、最適再灌流やアウトカムに好影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/11/30 ST上昇急性心筋梗塞(STEMI)の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)中におけるランジオロールの早期静脈内投与は、非投与群と比較して、最適再灌流の達成率が有意に高く、急性心筋梗塞によりKillip分類のGrade3(重症心不全)や4(心原性ショック)へ進行した患者の割合も有意に低いことが、横浜市立大学の清國 雅義氏らによる研究で明らかになった。International Journal of Cardiology誌2016年10月15日号の報告。 PCI中のβ遮断薬の早期静脈内投与は、根底にあるメカニズムが不明であるものの、STEMIの梗塞サイズを減少させることが示されている1)2)。 そのため、本研究では、STEMIの再灌流状態における短時間作用型β1アドレナリン受容体遮断薬ランジオロールの早期静脈内投与の有効性を調査することを目的として、前向き単一群研究を実施した。 STEMIでPCIを実施した55例(男性43例、女性12例、65±13歳)に対して再灌流の直前にランジオロールの静脈内投与を開始し、再灌流の状態とアウトカムを、過去にランジオロール非投与で治療した60例(男性49例、女性11例、65±13歳)と比較した。再灌流状態は、ST上昇の回復状態(ST-segment resolution:STR)、心筋濃染グレード(myocardial blush grade:MBG)、冠血流量から評価した。STR 70%以上の場合にSTRと定義し、最適再灌流達成とした。 主な結果は以下のとおり。 ・ランジオロール投与群は、STR(64% vs.42%、p=0.023)およびMBG 2以上(64% vs.45%、p=0.045)の達成率が非投与群と比較して有意に高かったが、冠血流量は同程度であった。 ・多変量解析の結果、ランジオロール投与は、STRの独立した予測因子であることが示された(オッズ比:2.99、95%CI:1.25~7.16、p=0.014)。 ・ランジオロール投与群は、急性心筋梗塞によりKillip分類のGrade3またはGrade4へ進行した患者の割合が、非投与群と比較して有意に低かった(0% vs.10%、p=0.028)。 1)B.Ibanez, et al. Circulation. 2013;128:1495-1503. 2)G.Pizarro, et al. J Am Coll Cardiol. 2014;63:2356-2362. (ケアネット 武田 真貴子) 原著論文はこちら Kiyokuni M, et al. Int J Cardiol. 2016;221:321-326. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 VT/VFに対するランジオロールの試験結果が発表/日本循環器学会 医療一般 日本発エビデンス (2019/04/24) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新規汎RAS阻害薬daraxonrasib、NSCLCへの有用性は?/NEJM(2026/09/10) PCI施行STEMI患者、アスピリン投与は省略できるか/NEJM(2026/09/10) ストロング系チューハイが最も飲まれていた~日本のアルコール依存症患者分析(2026/09/10) 後天性視床下部性肥満への薬物療法の体組成への影響(2026/09/10) 「消化性潰瘍診療GL2026」、ボノプラザンの位置付けを強化/J Gastroenterol(2026/09/10) 手足口病の現状を解説/感染症クォータリーレポート(2026/09/10) アスピリンとオメガ3脂肪酸の併用、歯周病治療で抗菌薬に匹敵する効果(2026/09/10) 水泳は腰痛の症状軽減に有効?(2026/09/10) [ あわせて読みたい ] 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察(2019/05/15) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.小松のとことん病歴ゼミ (2018/09/07)