双極性障害、摂食障害合併はとくに注意が必要 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/06 肥満は精神障害ではないが、DSM-5では、肥満と精神症候群との強い関連性を認めている。双極スペクトラム障害(BSD)やむちゃ食い障害(Binge Eating Disorder:BED)は、肥満患者において頻繁にみられる精神障害である。イタリア・University Magna Graecia of CatanzaroのCristina Segura-Garcia氏らは、肥満患者における、これら併存疾患に伴う精神病理学的相違と特有の接触行動を調査した。Journal of affective disorders誌2017年1月号の報告。 対象は、肥満患者119例(男性40例、女性79例)。心理学的評価および精神医学的インタビューを受け、栄養士が食生活の評価を行った。患者は、併存疾患により4群に分け、比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・対象者の41%はBED+BSD合併(グループ1)、21%はBED(グループ2)、8%はBSD(グループ3)、29%の肥満患者だけが合併症を有していなかった(グループ4)。 ・女性は、グループ1,2において比率が高かった。 ・双極性障害II型、他の特定および関連する双極性障害(OSR BD)は、グループ1で多く、双極性障害I型はグループ3で多かった。 ・摂食行動と精神病理における重症度の減少傾向は、併存症により明確な違いがあった(グループ1=グループ2>グループ3>グループ4)。 著者らは「BEDおよびBSDは、肥満患者の頻繁な併存疾患であった。双極性障害II型およびOSR BDは、BED+BSD合併患者においてより頻繁であった。BEDとBSDの合併は、より重度な摂食障害と精神病理に関連していると考えられる。特徴的な病的食行動は、肥満における精神医学的合併症の対症療法である警告と考えられる」としている。 関連医療ニュース 女子学生の摂食障害への有効な対処法 双極性障害I型とII型、その違いを分析 双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Segura-Garcia C, et al. J Affect Disord. 2017;208:424-430. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害とADHDは密接に関連している 疫学(頻度)(2013/01/30) 双極性障害で過食行動を合併しやすい患者の特徴 医療一般(2017/09/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 2型DMの血糖コントロールなど、予測モデルによる治療最適化で改善/Lancet(2025/03/10) 切除不能進行胃がん1次治療、sugemalimab追加でOS・PFS改善(GEMSTONE-303)/JAMA(2025/03/10) リファンピシン耐性キノロン感性結核に対する経口抗菌薬(解説:寺田教彦氏)(2025/03/10) TTF-1陰性Non-Sq NSCLCに対するアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(LOGIK2102)/日本臨床腫瘍学会(2025/03/10) 統合失調症の認知機能改善に対するメトホルミンの有用性(2025/03/10) EBウイルスが腎移植後のリンパ増殖性疾患に関与(2025/03/10) うつ病歴は慢性疾患の発症を早める(2025/03/10) 症状を電子的に報告するシステムががん患者の症状管理やQOLを改善(2025/03/10) 「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?(2025/03/10) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)