米国高齢者がアルツハイマー病を予測する検査を受けたいのか、また検査が行動に影響を及ぼすかは不明である。米国・スタンフォード大学のMeera Sheffrin氏らは、代表的なサンプルを使用し、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査を受けるかどうか、そのような検査を行うことが事前ケア計画にどのような影響を及ぼすかを調査した。Alzheimer's research & therapy誌2016年12月13日号の報告。
2012年のHealth and Retirement Study横断研究において、65歳以上の高齢者874人を対象に、アルツハイマー病の予測検査についての質問を行った。対象者は、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査への受診意向を回答した。その後、仮にアルツハイマー病を発症することがわかった場合、事前ケア計画活動を実施するかを0~100で評価し、スコアが50超をその活動を実施する可能性が高いと定義した。アルツハイマー病の検査に対する受診意向に関連する特性、事前治療指示書の作成や家族との医療計画の話し合いの影響を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査への受診意向は、全体の75%(648人)であった。
・受診意向は、人種や教育水準に影響を受けなかったが、75歳以下で高かった(OR:0.71、95%CI:0.53~0.94)。
・仮にアルツハイマー病を発症することがわかった場合、事前ケア計画活動を実施する可能性が高かったのは81%であった。一方、すでに実施している人は15%のみであった。
著者らは「アルツハイマー病の予測検査は関心が高く、事前ケア計画の話し合いに患者を引き入れる機会となる可能性を示唆している」としている。
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(鷹野 敦夫)