うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/14 うつ病に対する抗うつ薬使用は、汎用されている治療にもかかわらず、大うつ病患者の約3分の1には十分な効果を発揮しない。オーストリア・ウィーン大学のAlexander Kautzky氏らは、治療アウトカムのための臨床的、社会的、心理社会学的な48の予測因子による新たな洞察を、治療抵抗性の研究グループのデータと機械学習を利用し、検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年1月3日号の報告。 患者は、2000年1月より登録され、DSM-IVに従って診断した。治療抵抗性うつ病は、2種類以上の抗うつ薬による十分な投与量と期間で治療を行った後、ハミルトンうつ病評価尺度(17項目:HDRS)スコアが17以上とした。寛解は、HDRSスコア8未満とした。ランダムフォレストを用いたステップワイズ法を行い、治療アウトカムの分類に最適な数を見出した。重要値が生成された後、400例の患者サンプルで寛解と治療抵抗性の予測を実施した。予測のために、サンプル外の80例を使用し、レシーバの動作特性を計算した。 主な結果は以下のとおり。 ・治療アウトカムのもっとも有益な予測因子として、以下が挙げられる。 ●最初と最後のうつ病エピソードの間隔 ●最初のうつ病エピソードの年齢 ●最初の抗うつ薬治療に対するレスポンス ●重症度 ●自殺念慮 ●メランコリー ●生涯うつ病エピソード数 ●患者のアドミタンスタイプ ●教育 ●職業 ●糖尿病の併存 ●パニック症 ●甲状腺疾患 ・単一予測因子は、ランダム予測と異なる予測精度に達しなかったが、すべての予測変数を組み合わせることにより、治療抵抗性を0.737の精度で検出し、寛解を0.850の精度で検出できた。 ・その結果、治療抵抗性うつ病の65.5%、寛解の77.7%を正確に予測できた。 関連医療ニュース 晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kautzky A, et al. J Clin Psychiatry. 2017 Jan 3. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 薬物療法を要する院外心停止者の血管アクセス、骨髄路vs.静脈路/NEJM(2024/11/15) 自殺リスク、曜日や祝日との関連は?/BMJ(2024/11/15) 日本の頭痛外来受診患者、頭痛の種類や特徴は?(2024/11/15) EPA製剤など、重大な副作用に「心房細動、心房粗動」追加/厚労省(2024/11/15) 改訂GLに追加のNSCLCへのニボルマブ+化学療法+ベバシズマブ、OS・PFS最終解析結果(TASUKI-52)/日本肺癌学会(2024/11/15) 乳がん患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン中断についてステートメント公表/日本がん・生殖医療学会(2024/11/15) 超低出生体重児の動脈管開存症に対するカテーテル治療の短期予後は外科手術よりわずかに良好(2024/11/15) 自宅で行う脳刺激療法がうつ病の症状を軽減(2024/11/15) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)