うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/28 うつ病患者の一部は、双極性障害発症の前段階である可能性があり、早期発見や予防が可能な場合がある。オーストラリア・メルボルン大学のA Ratheesh氏らは、うつ病患者のプロスペクティブ研究より、双極性障害へ移行する割合や特徴の予測を試みた。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2017年1月18日号の報告。 システマティックな検索ストラテジを用いて、適切な基準の下、うつ病および双極性障害の診断確認を行った研究を特定した(最短フォローアップ期間6ヵ月)。ベースライン時予測因子に対する双極性障害の発症率およびある時点での有病率、プールされたオッズ比(OR)を調べた。 主な結果は以下のとおり。 ・5,554件の出版物より、56件が抽出された。 ・うつ病の成人の約4分の1(22.5%)と若者における、双極性障害発症に関する平均フォローアップ期間は、12~18年であり、最初の5年間が双極性障害移行の最大リスクであった。 ・メタアナリシスでは、うつ病から双極性障害への移行予測因子として以下が確認された。 ●双極性障害の家族歴(OR:2.89、95%CI:2.01~4.14、n=7) ●うつ病発症年齢の早さ(g:-0.33、SE:0.05、n=6) ●精神症状の出現(OR:4.76、95%CI:1.79~12.66、n=5) 著者らは「とくに双極性障害より広範なアウトカムが考慮される場合には、特定された予測因子を有する患者を観察し、予防成果が得られる可能性がある」としている。 関連医療ニュース 双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは うつ病と双極性障害を見分けるポイントは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ratheesh A, et al. Acta Psychiatr Scand. 2017 Jan 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)