抗精神病薬の性機能障害、プロラクチンへの影響を比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/04/06 抗精神病薬に共通してみられる性機能障害は、ドパミンアンタゴニスト作用やプロラクチン上昇によって引き起こされる可能性がある。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らは、18~60歳の統合失調症患者を対象とし、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールの月1回400mg製剤(AOM400)が、ドパミンD2受容体アンタゴニストであるパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)と比較し、Heinrichs-Carpenter QOLスコア(QLS)において非劣性と優位性を示したとするランダム化研究、QUALIFYの結果を解析した。International clinical psychopharmacology誌2017年5月号の報告。 性機能障害(アリゾナ性的体験尺度)、血清プロラクチンレベルを評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・AOM400の性機能障害の割合は、PPと比較して低く(28週目の調整オッズ比:0.29、95%CI:0.14~0.61、p=0.0012)、男性では0.33(95%CI:0.13~0.86、p=0.023)、女性では0.14(95%CI:0.03~0.62、p=0.0099)、18~35歳では0.04(95%CI:0.01未満~0.34、p=0.003)であった。 ・ベースライン時の性機能障害が28週目に変化しなかった患者では、QLS総スコアの改善が大きくなる傾向にあった。 ・男女ともに平均プロラクチン濃度は、AOM400で減少し(-150.6mlU/L、SD:274.4)、PPで増加した(464.7mlU/L、SD:867.5)。 ・PP使用患者の6例は、プロラクチン関連有害事象を経験した。 著者らは「QUALIFY試験において、AOM400はPPと比較し、QLSの大幅な改善に加え、性機能障害およびプロラクチン上昇リスクが低かった」としている。 関連医療ニュース 2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン 抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Potkin SG, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2017;32:147-154. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)