急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析

提供元:ケアネット

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公開日:2017/05/03

 

 長時間作用型持効性抗精神病薬は、統合失調症患者の急性期および長期治療のための治療選択肢である。過去に実施した試験では、急性エピソード統合失調症患者を対象としたアリピプラゾール月1回400mg(AOM400)の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、AOM400は、プラセボと比較し、主要エンドポイントである10週目のPANSS総スコアの有意な改善を示した。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、この試験の事後解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年6月号の報告。

 統合失調症における、興奮を含むさまざまな症状に対するAOM400の有効性を調査するため、過去に実施した急性エピソード統合失調症患者を対象としたAOM400の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析を行った。PANSS Marder因子モデル(陽性症状、陰性症状、思考解体、制御不能な敵意/興奮、不安/抑うつ)およびPANSS-EC(Marder因子モデルにおいて制御不能な敵意/興奮に相当する項目、および緊張の項目)について、AOM400とプラセボにおけるベースラインからの変化量を比較した。解析には、反復測定のために混合モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・すべての因子に対するAOM400とプラセボとの差は統計的に有意であり、1週目や2週目の早期に見られ、12週まで維持された。
・治療開始後2週間に経口アリピプラゾールを併用したAOM400は、プラセボと比較し、急性期統合失調症患者における5つのMarder因子モデルにも、PANSS-ECスコアにより概念化される興奮状態にも、有意な効果を示した。

 著者らは「本結果は、AOM400が急性期統合失調症患者のスペクトラム全体に有効であり、短期間および長期的に患者アウトカムに影響を及ぼすことを示している」としている。

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(鷹野 敦夫)