ペムブロリズマブ、化学療法併用でPD-L1発現問わず肺がん1次治療に承認:FDA 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/18 Merck社は2017年5月10日、米国食品医薬品局(FDA)が、ペメトレキセド+カルボプラチン(pem/carbo)レジメンとの併用で、PD-L1発現とは無関係に、ペムブロリズマブを転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に承認したと発表した。 この承認は、オープンラベル、多施設、複数コホートのKEYNOTE-021試験(コホートG1)の結果に基づくもの。KEYNOTE-021試験は、EGFRまたはALK変異がなく、かつPD-L1発現不問の局所進行・転移性の非扁平上皮NSCLCの未治療患者123例において行われた。患者は、ペメトレキセド+pem/carbo(n=60)またはpem/carbo単独(n=63)に無作為に割り付けられた。主要有効性評価項目は、独立第3者評価機関(BIRC)判定による全奏効率(ORR)。追加の有効性評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間、全生存期間であった。 試験の結果、ORRはペムブロリズマブ+pem/carboで55%(95%CI:42〜68)、pem/carbo単独では29%(95%CI:18 〜41)と、ペムブロリズマブ+pem/carboのORRは約2倍であった(p=0.0032)。PFS中央値はペムブロリズマブ+pem/carboで13.0ヵ月(95%CI:8.3〜推定不可)、pem/carbo単独では8.9ヵ月(95%CI:4.4〜10.3)と、ペムブロリズマブ+pem/carboで有意に改善した(HR:0.53、95%CI:0.31〜0.91、p=0.0205)。 探索的研究では、PD-L1発現の有無にかかわらず同様の結果を示しており、PD-L1非発現患者(TPS1%未満)のORRは、ペムブロリズマブ+pem/carboで57%、pem/carbo単独では13.0%。PD-L1発現患者(TPS1%以上)のORRは、ペムブロリズマブ+pem/carboで54%、pem/carbo単独では38%であった。 ペムブロリズマブの単独療法は、EGFRまたはALK変異のないPD-L1高発現(TPS50%以上)の転移性NSCLC患者の1次治療として、また、PD-L1発現1%以上の転移性NSCLC患者の2次治療以降としてすでに承認されている。今回承認された適応症の継続は、確認試験における臨床的有益性の検証結果により決定される。 (ケアネット 細田 雅之) 参考Merck社ニュースリリース ペムブロリズマブの追加が非小細胞肺がん1次治療の結果を改善:ESMO ペムブロリズマブ 肺がん1次治療の適応さらなる拡大へ:化学療法との併用で KEYNOTE-021試験(ClinicalTrials.gov) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児がん、定期的な症状スクリーニングで苦痛な症状が改善/JAMA(2024/11/21) 米国民の幸福度、国内格差を人間開発指数で解析/Lancet(2024/11/21) エンパグリフロジン投与終了後もCKDの心・腎保護効果が持続、レガシー効果か?(解説:栗山哲氏)(2024/11/21) 心臓MRIによるLGEはLVEFより拡張型心筋症のリスクをより良く予測する(解説:佐田政隆氏)(2024/11/21) 肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売/ヤンセン(2024/11/21) TN乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、販売開始/ギリアド(2024/11/21) ROS1陽性NSCLCへの新たな選択肢レポトレクチニブ、その特徴は?/BMS(2024/11/21) 低リスク肺塞栓症がん患者のVTE再発、リバーロキサバン18ヵ月vs. 6ヵ月(ONCO PE)/AHA2024(2024/11/21) 大腸がん検診、現時点では血液検査よりも大腸内視鏡検査が優れる(2024/11/21) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?(2024/11/21) [ あわせて読みたい ] 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第2回(2018/02/13) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)