inotuzumab ozogamicin、CD22+前駆B細胞性ALLに欧州で承認 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/24 米国ファイザー社は2017年6月30日、inotuzumab ozogamicinが「再発または難治性のCD22陽性前駆B細胞性急性リンパ性白血病(ALL)」の成人患者に対する単剤療法として欧州委員会より承認を受けたことを発表した。今回の適応には、フィラデルフィア染色体陰性(Ph-)だけでなく、同陽性(Ph+)の再発または難治性の前駆B細胞性ALLも含まれている。Ph+のCD22陽性前駆B細胞性ALLの場合、少なくとも1種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療が奏効しなかった成人患者を適応とする。 inotuzumab ozogamicinは、ファイザー社とセルテック社(現UCB社)が協力して生み出した抗体薬物複合体(ADC)。ほぼすべてのB細胞性ALLに発現するCD22を標的とするモノクローナル抗体および細胞傷害性化合物で構成されており、悪性腫瘍のCD22抗原と結合すると、細胞障害性を有するカリケアマイシンが放出されて細胞を破壊する。 欧州委員会によるinotuzumab ozogamicinの承認は、再発または難治性の前駆B細胞性ALL成人患者326例を対象に、inotuzumab ozogamicinを標準化学療法と比較し第III相INO-VATE ALL試験の結果に基づく。本試験では、2つの独立した主要評価項目(血球数の回復の有無を問わない血液学的完全寛解率(CR/CRi)および全生存期間(OS))が設定された。 ALLは、未治療のままでは数ヵ月のうちに致死的となりうる。再発または難治性(抵抗性)ALLにおける治療目標は、生存率の延長が期待できる治療法として現在最も支持されている造血幹細胞移植や維持療法などに移行できるよう、過度の毒性を伴わずに完全寛解を達成すること。再発または難治性の患者における現在の標準治療は強力な化学療法だが、化学療法が有効である患者は50%にも及ばない。また、これらの治療は長期生存率が低い、毒性が高い、入院期間が長い、持続点滴時間が長いといったことも指摘されている。 ■参考 ファイザー株式会社プレスリリース (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がん、多遺伝子シグネチャー活用で予後改善/BMJ(2024/11/14) 心房細動を伴う脳梗塞後のDOAC開始、早期vs.晩期/Lancet(2024/11/14) 肺がんにおける悪液質の介入は確定診断前から?/日本肺癌学会(2024/11/14) 末期腎不全の患者、男女ともに過体重・肥満者が増加/新潟大(2024/11/14) 統合失調症に対する電気けいれん療法後の再発率〜メタ解析(2024/11/14) 変形性関節症/関節リウマチ患者の約4割が抑うつ、不安、線維筋痛症のいずれかを合併(2024/11/14) 将来は1時間程度で結果が出る血液検査が可能に?(2024/11/14) 飛行機の換気システムでナッツアレルゲンは広がらない(2024/11/14) [ あわせて読みたい ] 肺がん特集(2017/06/20) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07) 侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ Part1(2015/06/04) Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編(2015/05/08) サン・アントニオ乳癌シンポジウム2014〔会員聴講レポート〕 (2014/12/25)