新規経口抗凝固薬、眼内出血リスクはワルファリンの5分の1 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/26 眼内出血リスクは、新規経口抗凝固薬でワルファリンの約5分の1に低下することが、オーストラリア・アデレード大学のMichelle T. Sun氏らによるメタ解析の結果、明らかとなった。新規経口抗凝固薬のベネフィットは、心房細動患者と静脈血栓塞栓症患者とで類似していた。今回の結果は、自然発生的な網膜または網膜下出血の高リスク患者にとってとくに問題であり、著者は、「周術期には新規経口抗凝固薬を使用したほうが良いかもしれないことが示唆された。今後、眼疾患と心血管疾患の両方を有する患者の最適な管理についての研究が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年7月6日号掲載の報告。 研究グループは、ワルファリンと新規経口抗凝固薬の眼内出血リスクを比較する目的で、システマティックレビューとメタ解析を行った。 MEDLINEおよびClinicalTrials.govを用い、2016年8月までに発表された無作為化臨床試験を検索し、特定された臨床試験の論文および他の総説の引用文献についてもマニュアル検索をした。心房細動患者または静脈血栓塞栓症患者が対象であり、新規経口抗凝固薬(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンまたはエドキサバン)とワルファリンを比較した第III相無作為化臨床試験で、眼内出血に関するデータが記録された試験をメタ解析の対象とした。 眼内出血に関するデータは、逆分散重み付け固定効果モデルを用いて統合した。データの要約と質の評価はPRISMAガイドラインに従うとともに、2人の研究者が独立してデータを抽出。主要評価項目は、ワルファリンに対する新規経口抗凝固薬の眼内出血イベントとリスク比であった。 主な結果は以下のとおり。 ・12件の臨床試験(合計10万2,627例)がレビューに組み込まれた。 ・新規経口抗凝固薬は、ワルファリンと比較し相対的に眼内出血が22%減少した(リスク比:0.78、95%信頼区間[CI]:0.61~0.99)。 ・有意な異質性は認められなかった(I2=4.8%、p=0.40)。 ・サブグループ解析でも、新規経口抗凝固薬の眼内出血リスクの低さは同様にみられ、新規経口抗凝固薬の適応症(異質性のp=0.49)または種類(異質性のp=0.15)によって有意差はなかった。 ・要約推定値は、ランダム効果モデルを用いた場合でも大きな違いはなかった。 (ケアネット) 原著論文はこちら Sun MT, et al. JAMA Ophthalmol. 2017 Jul 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) Dr.水野のうたう♪心音レクチャー (2017/05/07) Dr.宮本のママもナットク!小児科コモンプラクティス (2017/04/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3 (2017/04/07) Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで (2017/03/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<下巻>(2017/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<上巻>(2016/10/07)