アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/31 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。 対象薬剤は、ADのさまざまな段階での治療に承認されたAChEIである、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類の薬剤。数多くの臨床研究および市販後の研究より、AD治療におけるこれらのAChEIの安全性、有効性、忍容性を評価した。薬物動態データベース、薬物相互作用、処方カスケード、治療中止率を含むトピックスについても検討した。 専門家の主な意見は以下のとおり。 ・軽度、中等度、高度のAD患者に対するAChEIの使用は、認知、機能、行動の適度な改善をもたらす。 ・AChEIを用いたADの薬理学的治療は、軽度の有害事象と関連する。 ・患者個々に最適な投与経路を決定する際には、剤形の相違を考慮する必要がある。 ・AChEIの中断は、認知機能障害の悪化と関連している可能性があるため、慎重に監視しなければならない。 ■関連記事 抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? 白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mohammad D, et al. Expert Opin Drug Saf. 2017 Jul 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の併用の現状 医療一般(2017/05/01) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10)