PD-L1高発現NSCLC1次治療、ペムブロリズマブKEYNOTE-024試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/04 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS50%以上)非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブの1次治療を評価する国際共同無作為化第III相試験。全集団の解析では、無増悪生存期間(PFS)のHRが0.50(p<0.001)、全生存期間(OS)のHRも0.60(p=0.005)と、標準化学療法(SOC)群に対するペムブロリズマブ群の優越性が示されている。第15回日本臨床腫瘍学会では、同試験の日本人患者集団の解析結果が、兵庫県立がんセンター里内美弥子氏より発表された。 KEYNOTE-024試験では、全集団305例が登録された。そのうち日本人は40例で、ペムブロリズマブ群に21例、SOC群に19例が割り付けられた。患者背景は全集団と同様であった。フォローアップ期間(中央値11.2ヵ月)の化学療法からペムブロリズマブへのクロスオーバーは、全集団の44%に対し、日本人では37%であった。 日本人集団のPFSは、ペムブロリズマブ群で未達、SOC群で4.1ヵ月(HR:0.35、95%CI:0.14~0.91、p=0.013)であった。日本人集団のOSは、ペムブロリズマブ群で未達、SOC群では21.5ヵ月で、HRは0.40(95%CI:0.10~1.61)であった。また、最新のOS中間解析によれば、HRは0.36(95%CI:0.12~1.01)と、クロスオーバーの多さにも関わらず、その差は大きくなっている。長期使用により、ペムブロリズマブ群でさらに有望な結果が得られる可能性が示唆される。奏効率(ORR)は、全集団でペムブロリズマブ群44.8%、SOC群27.8%であったのに対し、日本人集団では、ペムブロリズマブ群57.1%、SOC群21.1%という結果であった。 Grade3~4の有害事象は、全集団ではペムブロリズマブ群26%、SOC群51%であったのに対し、日本人集団ではペムブロリズマブ群33%、SOC群47%であった。 KEYNOTE-024試験においては、全集団の結果と同様、日本人集団でも未治療のPD-L1高発現の非小細胞肺がんに対し、ペムブロリズマブの有効性と安全性が示された結果となった。 ■参考 KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効KEYNOTE-024試験/NEJM PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017 肺がん特集 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療の追跡結果(KEYNOTE-024)/JCO 医療一般(2019/01/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.皿谷の肺音聴取道場(2020/05/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編(2020/02/10) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15)