大腿静脈カテーテル挿入は、血管の断面積(CSA)が大きな部位で行うと合併症リスクが減少する可能性がある。今回、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie Memorial Cancer CenterのDorota Czyzewska氏らが、3つの肢位で2部位の右大腿静脈のCSAを調べたところ、肢位は開排位において最大であり、部位については性別で異なることが示された。PLOS ONE誌2017年8月14日号に掲載。
被験者は、同意を得られた19~39歳(平均23±3歳)の健康なボランティア205名(女性108名、男性97名)。超音波検査は線形14MHzトランスデューサーを用いて行った。調査した肢位は、外転、外転+外旋、外転+外旋+90°膝屈曲/開排位の3つ、位置は、鼠径靱帯の20mm尾側と鼠径溝の20mm尾側の2箇所である。
主な結果は以下のとおり。
・測定位置にかかわらず、3つの肢位におけるCSA平均値に有意差が認められ、開排位での近位部においてCSA平均値が最大(114mm2±35mm2)であった。
・CSAは性別および身長と有意に関連していた。
・男性のCSAは、鼠径溝の20mm尾側ではすべての肢位で女性よりも大きかったが、鼠径靭帯の20mm尾側では女性のほうが大きかった。
・外転でのCSAは全体の25%で、近位部が45.0mm2未満、遠位部が31.5mm2未満であった(直径にするとそれぞれ5.3mm、4.5mm)。
(ケアネット 金沢 浩子)