抗精神病薬の早期治療反応は、長期治療効果を予測可能か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/23 抗精神病薬による最初の2~3週間での早期治療反応は、数ヵ月後の短期アウトカムを予測可能である。カナダ・マックマスター大学のSean A. Rasmussen氏らは、抗精神病薬の早期治療反応の予測値が、数年間の長期治療において持続するか検討を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年9月26日号の報告。 本観察研究では、抗精神病薬での治療開始から平均25ヵ月経過した初回エピソード統合失調症患者64例を対象に、フォローアップ評価を行った。対象患者は、治療開始時にハロペリドール投与またはオランザピン投与に無作為化され、急性期入院後には自由な治療に移行した。治療開始2週または3週目のBPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)での早期改善効果が、フォローアップ時の長期改善効果を予測するかどうか、回帰分析を用いて評価した。2次解析として、フォローアップ時の錐体外路系副作用を早期に予測できるかについて検討を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・2週目でのハロペリドールに対する早期治療反応は、長期フォローアップにおけるBPRS改善を予測した(p=0.002)。 ・2週または3週目のオランザピンに対する早期治療反応は、長期改善を予測しなかった(それぞれ、p=0.726、p=0.541)。 ・錐体外路系副作用の割合は、両群間で差は認められず、早期治療反応では予測できなかった。 著者らは「ハロペリドール早期治療反応は長期治療予後を予測するが、オランザピン早期治療反応は予測しない可能性がある」としている。 ■関連記事 精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略 統合失調症の再発率比較、併用療法 vs.単独療法 vs.LAI 安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Rasmussen SA, et al. Hum Psychopharmacol. 2017 Sep 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略 医療一般(2017/10/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 貧血を伴う動脈瘤性くも膜下出血の輸血、非制限戦略vs.制限戦略/NEJM(2024/12/24) 日本人双極症外来患者におけるアルコール依存症合併率とその要因〜MUSUBI研究(2024/12/24) 乳がん再発予測、ctDNA検査はいつ実施すべき?示唆を与える結果(ZEST)/SABCS2024(2024/12/24) DOACとスタチンの併用による出血リスク(2024/12/24) 不規則な睡眠習慣は主要心血管イベントリスクを高める(2024/12/24) 超加工食品の大量摂取は活動性乾癬と関連(2024/12/24) GLP-1RAによる肥満治療が食品ロスを増やしている(2024/12/24) 口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究(2024/12/24) [ あわせて読みたい ] 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10)