NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療のOS結果(KEYNOTE-024)/WCLC2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/30 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)の転移性NSCLC患者305例を対象にペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単独投与群(n=154)と標準治療のプラチナベース化学療法群(n=151)を比較した、国際無作為化オープンラベル第III相臨床試験。本年(2017年)9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)では、追跡期間11.2ヵ月の中間解析が発表され、ペムブロリズマブ群の有意なPFSの改善が報告されたが、全生存期間(OS)は未到達であった。10月に横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC2017)では、アップデートされたOSの結果が米国・The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie R Brahmer氏により発表された。 今回の報告は、追跡期間中央値25.2ヵ月の解析結果。OS中央値はペムブロリズマブ群30.0ヵ月(18.3~未到達)、化学療法群は14.2ヵ月(9.8~19.0)と、ペムブロリズマブ群で有意に死亡リスクが減少した(HR:0.63、95% CI:0.47~0.86、p=0.002)。奏効率はペムブロリズマブ群で45.5%(37.4~53.7)、化学療法群で29.8%(22.6~37.8)であった。奏効期間はペムブロリズマブ群では未到達(1.8+ヵ月~20.6+ヵ月)、化学療法群では7.1ヵ月(2.1+ヵ月~18.1+ヵ月)であった。 ペムブロリズマブの安全性は、転移性NSCLCのこれまでの試験と一貫していた。治療関連有害事象発生率はペムブロリズマブ群76.6%、化学療法群90.0%であった。ペムブロリズマブ群の免疫関連有害事象(irAE)発生率は33.8%、うちGrade3以上発生率は13.6%であった。irAEで多くみられるものは、甲状腺機能低下症、肺臓炎、甲状腺機能亢進症、重篤な皮膚毒性、infusion reactionであった。 ■参考 KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov) MSD株式会社ニュースリリース ■関連記事 PD-L1高発現NSCLC1次治療、ペムブロリズマブKEYNOTE-024試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会 PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療の追跡結果(KEYNOTE-024)/JCO 医療一般(2019/01/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] リンパ節転移陰性の浸潤性乳がん、腋窩手術省略vs.センチネルリンパ節生検/NEJM(2024/12/30) 手OAに電熱手袋は有効か?/BMJ(2024/12/30) 心筋梗塞後のβ遮断薬の長期投与は不要か―統計学的には非劣性だが、臨床的にはそうとは限らない(解説:名郷直樹氏)(2024/12/30) 片頭痛予防にメラトニン介入が有望な可能性(2024/12/30) 進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫の初回治療、watchful waiting対早期リツキシマブ(JCOG1411/FLORA)/ASH2024(2024/12/30) 既治療の小細胞肺がん、承認取得のタルラタマブのアジア人データ(DeLLphi-301)/ESMO Asia2024(2024/12/30) 85歳以上の日本人、高血圧は死亡リスクに影響する?しない?(2024/12/30) 甘いものの摂取、心臓の健康にとっての「スイートスポット」は?(2024/12/30) 野菜を先に食べている糖尿病患者は高次生活機能が高い(2024/12/30) [ あわせて読みたい ] Dr.皿谷の肺音聴取道場(2020/05/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編(2020/02/10) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15)