統合失調症への睡眠薬使用に関するメタ解析:藤田保健衛生大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/03 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、統合失調症に対するZ薬使用に関してシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Psychiatry research誌2017年10月号の報告。 主要なヘルスケアデータベースおよび臨床試験レジストリより、2017年3月20日以前に発表された無作為化プラセボ対照または非薬理学的介入対照試験を検索した。無作為化プラセボ対照試験のみを含むメタ解析を実施した。有効性アウトカムは、統合失調症症状、睡眠時間の合計、中途覚醒の改善として測定した。安全性、忍容性アウトカムは、中止率、個々の有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。 ・alpidemプラセボ対照試験1件(66例)、エスゾピクロンプラセボ対照試験2件(60例)、エスゾピクロンshallow needlingコントロール試験1件(96例)の計4試験が抽出された。 ・メタ解析では、プールされたZ薬治療とプラセボとの間に有意な差は認められなかった。 ・個々の試験では、alpidemは統合失調症症状の全般的な改善において、プラセボより優れていた。 ・エスゾピクロン試験の1件では、エスゾピクロンは不眠症重症度(ISI:Insomnia Severity Index)スコアの改善において、プラセボより優れていた。 ・他のエスゾピクロン試験では、エスゾピクロンは統合失調症症状および不眠関連症状の改善において、shallow needling療法と差がないことが認められた。 著者らは「本検討において、統合失調症治療に対するZ薬の使用に有意なベネフィットは認められなかったが、エスゾピクロンの短期使用は、統合失調症患者の持続的な不眠症を治療するうえで、許容可能な治療法であることが示された」としている。 ■関連記事 不眠症への指圧効果 2つの新規不眠症治療薬、効果の違いは せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kishi T, et al. Psychiatry Res. 2017 Oct;256:365-370. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] マラリア対策のための高解像度地図の最新版、COVID-19の影響は?/Lancet(2025/04/02) 2型DMへの自動インスリン投与システム、HbA1c値を改善/NEJM(2025/04/02) 胃がんT-DXd、日本における販売後調査の最終解析/日本胃癌学会(2025/04/02) 閉塞性肥大型心筋症へのmavacamten、長期有効性・安全性の中間解析(HORIZON-HCM)/日本循環器学会(2025/04/02) 腸管GVHDの発症・重症化および予防・治療における腸内細菌叢の役割/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/02) OTC薬の乱用と精神症状発症リスクとの関係(2025/04/02) 「血痰は喀血」、繰り返す喀血は軽症でも精査を~喀血診療指針(2025/04/02) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)