摂食障害プログラム、オランザピンの使用は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/21 顕著な障害や発育への影響に関連する摂食障害である回避性・制限性食物摂取症(ARFID)に対する薬理学的治療についての情報はほとんどない。米国・サウスカロライナ医科大学のTimothy D. Brewerton氏らは、ARFIDに対する薬物療法に関して臨床報告を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 オランザピンの補助的投与と摂食障害(ED)プログラム(在宅、部分的入院、集中外来ケア)で治療されたARFID患者9例について、レトロスペクティブチャートレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・オランザピン平均初回投与量は0.9+0.63mg/日、オランザピン平均最終投与量は2.8+1.47mg/日であった。 ・オランザピン投与前後の体重増加(3.3±7.3lb対13.1±7.9lb[2.99±6.62lb SI対11.88±7.17lb SI])に、有意な差が認められた(対応t検定:p<0.04、t=-2.48)。 ・オランザピンの補助的投与は、体重増加だけでなく、不安、抑うつ、認知機能の改善に有用であった。 ・オランザピンの補助的投与を行った患者では、臨床全般印象評価尺度(CGI)スコアの改善が認められた。 著者らは「ARFID患者に対する低用量オランザピン補助的投与は、食生活の改善や体重増加、および不安、抑うつ、認知機能の改善が期待できる。将来、ARFID患者を対象とした無作為化プラセボ対照試験が望まれる」としている。 ■関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム 摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー 小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Brewerton TD, et al. J Child Adolesc Psychopharmacol. 2017 Oct 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 クエチアピン徐放製剤とオランザピンの日本人双極性うつ病に対する有効性の違い 医療一般 日本発エビデンス(2019/08/14) 摂食障害の薬物療法に関するWFSBPガイドライン2023 医療一般(2023/08/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)