第3世代EGFR-TKI ASP8273のアジア人既治療患者における成績/WCLC2017

提供元:ケアネット

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公開日:2017/11/22

 

 ASP8273は、EGFR 活性化変異やEGFR-TKI耐性変異に対する活性を持つ、第3世代EGFR-TKIである。横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で、サムスン医療センターのKeunchil Park氏が、ASP8273の第I/第II相試験の結果について発表した。

 本試験は、2段階で実施された用量漸増/用量拡大試験で、1ライン以上のEGFR-TKI治療歴のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者が対象。第I相試験は、EGFR変異(Ex19del/L858R)陽性の日本人患者が組み入れられ、主な目的はASP8273の安全性の評価と最大耐量(MTD)、第II相試験での推奨用量(RP2D)を決定することであった。第II相試験は、T790M陽性の日本・韓国・台湾の患者が組み入れられ、中央判定による客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などが評価された。

 全体で121例(第I相:45例、第II相:76例)の患者を登録、年齢中央値は第I相が65歳(28~78歳)、第II相が63歳(39~83歳)であった。第I相試験の結果、MTDおよびRP2Dはそれぞれ400mg、300mg。第II相試験における24週でのORRは42%(95%信頼区間[CI]:30.9~54.0)、DCRは80%(95%CI:69.5~88.5)であった。PFS中央値は、8.1ヵ月(95%CI:5.6~-)だった。

 第II相試験における全Gradeの治療関連有害事象(AE)発現率は、93%。発現頻度が高い項目は、下痢(57%)、低ナトリウム血症(29%)、ALT増加(29%)などであった。Grade3以上の治療関連AE発現率は38%だった。

(ケアネット 遊佐 なつみ)

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