イタリア・ペルージャ大学のVincenza Gianfredi氏らが、一般集団でのチョコレート摂取と心血管リスクの関連について、系統的レビューおよびメタ分析で評価。その結果、とくに女性における心血管リスクや、男女における急性心筋梗塞に対して、チョコレートの適度な摂取による潜在的な保護効果が示された。Nutrition誌2018年2月号に掲載。
著者らは、PubMedで所定のキーワードでの構造化検索を2016年9月26日まで実施し、チョコレート摂取率の違いによる心血管疾患(脳卒中・急性心筋梗塞・心不全・冠動脈疾患、以下CVD)のリスクを評価した。メタ分析はソフトウェアProMeta 3を使用した。
主な結果は以下のとおり。
・系統的レビューにより適格研究が16件同定された。
・大部分の研究で、チョコレートを摂取しない人と比較したチョコレート摂取の保護効果を示していた。
・チョコレート摂取の最も少ないカテゴリーに対する最も多いカテゴリーのCVD全体のリスク比(効果量[ES])は0.77(95%信頼区間[CI]:0.71~0.84、p=0.000)であった。異質性はmoderateであった。
・CVDのサブグループに関連するリスクを分析したところ、急性心筋梗塞のESは0.78(95%CI:0.64~0.94、p=0.009)であった。統計学的な異質性はなかった(I2=46.56%、p=0.13)
・性別ごとの分析によると、女性におけるESが0.85(95%CI:0.77~0.95、p=0.003)であった。異質性はvery lowであった(I2=62.21%、p=0.005)。
(ケアネット 金沢 浩子)