パニック症への薬物治療のリスクとベネフィット 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/23 パニック症は、効果的に治療することができる不安症である。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やベンゾジアゼピンは、パニック症に最も汎用される薬剤の1つである。ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のLaiana A. Quagliato氏らは、これら2つの治療薬の有効性、有害事象、限界に関する、現在のエビデンスについて検討を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2018年1月22日号の報告。 パニック症治療におけるSSRI、ベンゾジアゼピンに関するオープンラベルまたはプラセボ対照試験を、MEDLINE、PubMed、Web of Scienceのデータベースを用いて、検索を行った。 主な専門家の意見は以下のとおり。 ・文献検索により、このテーマに関する4,957件の論文が抽出された。このうち、24件をレビューに含んだ。 ・SSRIは、パニック症に有効であるにもかかわらず、治療効果の発現に数週間の遅延を伴い、治療の初期においては不安症状やパニック症状を悪化させる可能性がある。 ・ベンゾジアゼピンは、急速な作用を示すが、耐性や依存を引き起こす可能性がある。 ・パニック症治療においてSSRIとベンゾジアゼピンの有効性は、強いエビデンスで証明されているにもかかわらず、これら2つの治療薬を突き合わせて比較した研究はほとんど行われていない。 著者らは「パニック症の薬理学的治療に関する今後の研究は、各群のリスク、ベネフィット、限界を、直接比較すべきである。これは、パニック症に対するエビデンスベースの薬物治療の改善に役立つ可能性がある」としている。 ■関連記事 パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用か パニック障害 + うつ病、副作用と治療経過の関係は パニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は? (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Quagliato LA, et al. Expert Opin Drug Saf. 2018 Jan 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] DES留置後1年以上の心房細動、NOAC単剤vs.NOAC+クロピドグレル併用/NEJM(2025/12/12) 妊娠中の体重増加と母体および新生児の臨床アウトカムの関連/BMJ(2025/12/12) ウォートンゼリー由来間葉系幹細胞の冠動脈内注入は心筋梗塞後の心不全を予防するかもしれない(解説:原田和昌氏)(2025/12/12) ER+/HER2-早期乳がん術後ホルモン療法、giredestrant vs.標準治療(lidERA)/SABCS2025(2025/12/12) ベンゾジアゼピンの使用は認知症リスクにどの程度影響するのか?(2025/12/12) 小児期の肥満は成人後に診療数が多くなる(2025/12/12) AIモデルが臓器ドナーの死亡タイミングを予測(2025/12/12) 脂肪由来の幹細胞が脊椎圧迫骨折の治癒を促進(2025/12/12) アトピー性皮膚炎患者に最適な入浴の頻度は?(2025/12/12) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)