1994~2014年の30ヵ国におけるうつ病有病率調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/09 うつ病の有病率は、過去20年間の精神医学的治療の変化やオンラインメンタルヘルス情報の入手による影響を受けている可能性がある。オーストラリア・モナッシュ大学のGrace Y. Lim氏らは、1994~2014年にかけて、異なる国と地域におけるうつ病の有病率を評価し、地理的、方法論的、社会経済的な要因によって層別化された有病率の変動を調査した。Scientific reports誌2018年2月12日号の報告。 合計90件の研究が特定され、成人111万2,573例が包括基準を満たした。調査の内訳は、時点有病率調査が68件、1年間の期間有病率調査が9件、生涯有病率調査が13件であった。 主な結果は以下のとおり。 ・ランダム効果モデルによるメタ解析では、うつ病の時点有病率は12.9%、1年間の期間有病率は7.2%、生涯有病率は10.8%であった。 ・時点有病率が有意に高かったのは、女性(14.4%)、人間開発指数(平均余命、教育、所得の複合統計指数:29.2%)、2004~14年に公表された研究(15.4%)、自己報告によるうつ病評価の場合(17.3%)であった。 ・異質性がメタ回帰分析、サブグループ解析により同定され、治療反応率、女性の割合、公表年は、それぞれうつ病の有病率に影響すると判断された。 著者らは「本メタ解析は、オンラインヘルス情報が出現したこの時代において、うつ病蔓延のベンチマークを可能とし、将来の比較を容易にするであろう」としている。 ■関連記事 米国のうつ病、どのような患者で増加しているか これからのうつ病治療、どんな介入を行うべきか うつ病再発予防へ、インターネット介入の可能性は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lim GY, et al. Sci Rep. 2018;8:2861. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 分散型臨床試験の治療効果は、非分散型と異なるか/BMJ(2025/12/17) 血液凝固因子第XI因子を阻害すればよいというものではない?(解説:後藤信哉氏)(2025/12/17) 成人のRSウイルスワクチンに関する見解を発表/感染症学会、呼吸器学会、ワクチン学会(2025/12/17) ER+/HER2-進行・転移乳がん、ESR1変異検出時のcamizestrantへの切り替えでPFS延長(SERENA-6)/SABCS2025(2025/12/17) 統合失調症におけるブレクスピプラゾール切り替え、その有用性は?(2025/12/17) 認知症発症リスク、亜鉛欠乏で30%増(2025/12/17) 胃食道逆流症が耳疾患と関連か(2025/12/17) 健康診断から見える、糖尿病予測の未来(2025/12/17) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)