2018年3月、日本神経学会(代表理事:高橋良輔[京都大学])は、学会ホームページ上で会員向けに「標榜診療科名を『脳神経内科』に変更することにつきまして」と題するお知らせを公開した。
この動きは、平成29年度第4回日本神経学会理事会(2017年9月16日開催)での決定、社員総会(2018年1月8日開催)での報告を経たもので、今後学会は会員に向け、学会内で使用する診療科名は、順次「脳神経内科」を用い、「神経内科」標榜の医療機関には「脳神経内科」への変更をお願いしていくとしている。
診療内容のさらなる明確化が狙い
今回の変更の狙いとして「診療内容をよりよく一般の方々に理解していただくこと」をあげている。
1975年の診療科認可以来、「神経内科」が使用されてきたが、現在でも心療内科や精神科と混同されることがある一方で、脳卒中や認知症などのコモンディジーズを専門的に診療する科であることが広く知られていない状況が続いているという。このことで、神経内科を受診して欲しい患者さんが神経内科受診を思いつかずに、診断がつかない状態が何年も続いたり、適切な治療のタイミングを逸したりすることが問題だと指摘する。
こうした経緯を踏まえ、今回の名称変更で本科が、脳・神経の疾患を内科的専門知識と技術をもって診療する診療科であることがわかりやすくなり、また、「脳神経外科」の内科側のカウンターパートであるとの位置付けが明確化し、専門診療を必要とする患者さんの大きな利益につながればと説明する。
今後は、関係機関・学会への説明を行い、専門医の名称変更などの課題も含め、適切に対応していくとしている。
■参考
一般社団法人日本神経学会 お知らせ