日本人の中高生時代における運動部への参加と成人期の運動習慣が心血管疾患(CVD)死亡率にどのように関連するのかを、米国・Harvard T.H. Chan School of Public Healthのゲロ クリスティーナ氏らが調査した。その結果、成人期に運動している男性において、中高生時に運動部に参加していた人の冠動脈疾患(CHD)死亡リスクはより低いことが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2018年5月10日号に掲載。
本研究では、1988~90年に40~79歳の男性2万9,526人と女性4万1,043人にアンケートを実施し、ベースライン時の運動頻度と中高生時の運動部参加について質問した。2009年末まで実施した追跡調査で、CVD死亡4,230例(冠動脈疾患870例、脳卒中1,859例)を同定した。Cox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡調査開始から3分の2(比例ハザード性が成立)の期間において、ベースライン時に週1~2時間運動していた人に対して週5時間以上運動していた人では、全CVD死亡率の多変量調整後HR(95%信頼区間)が、男性で0.77(0.61~0.98)、女性で0.82(0.61~1.10)であった。また、CHD死亡率のHRは、男性で0.65(0.39~1.07)、女性で0.40(0.17~0.91)であった。
・成人期と中高生時の運動の複合的な関連性を検討したところ、ベースライン時に5時間以上運動していた男性のうち、中高生時での運動部参加者における非参加者に対する多変量調整後HRは、全CVD死亡率で0.89(0.61~1.30)、CHD死亡率で0.24(0.08~0.71)であった。女性では、運動部参加者と非参加者の間に統計学的有意差は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)