日本医師会はこのほど、「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き 2.認知症」を公開した。2017年10月公開の同手引き「1.安全な薬物療法」に続く第2弾で、認知症の薬物療法に特化した内容となっている。
手引きでは、「認知症の治療は原因疾患の適切な鑑別診断のもとに行われることが重要」として、かかりつけ医と専門医療機関等との連携を重視。「高齢者はすでに他の身体疾患などを有していて、多剤が併用されている場合があるため、認知症に対する薬物療法は、その必要性を十分に検討し、必要性があると判断される場合にのみ開始する」と非薬物療法を中心に、必要に応じて薬物療法を組み合わせて治療することを推奨している。
そのうえで、
・認知症の薬物療法フローチャート
・中核症状の病期別治療薬剤選択のアルゴリズム
・BPSD治療アルゴリズム
・BPSDの治療方針に関するフローチャート
・高齢の患者に認知機能障害を生じさせやすい特に慎重な投与を要する薬物のリスト
等を「認知症疾患診療ガイドライン2017」、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」といった関連のガイドラインから引用しながら解説。かかりつけ医が処方を判断する際の考え方や服薬支援のポイントと併せて、全約10ページのコンパクトな形態にまとめている。
■参考
日本医師会「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き」
1.安全な薬物療法
2.認知症
(ケアネット 遊佐 なつみ)