2019年6月4日、日本医師会の江澤 和彦氏(常任理事)が、『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病』の完成を記者会見で発表した。
高齢者糖尿病の現状をふまえたかかりつけ医のための手引きの作成
厚生労働省から発表された平成28年国民健康・栄養調査結果の概要によれば「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000万人と推定され、その中で、65歳以上の高齢者が占める割合は約60%以上となっている。今後も高齢化に伴い65歳以上の糖尿病患者の増加が予想される。
高齢者糖尿病では、一般的に老化の特徴としての身体機能、認知機能などの個人差が大きくなる。また、75歳以上の高齢糖尿病患者ではとくに認知機能障害、ADL低下などの老年症候群や重症低血糖、脳卒中の合併症などを起こしやすいと言われている。
『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病』では、75歳以上の高齢者と老年症候群を合併した65歳から74歳の前期高齢者を「高齢者糖尿病」と想定し、日本老年医学会の協力により作成された。
今回のかかりつけ医のための適正処方の手引きは、2017年『
(1)安全な薬物療法』、2018年『
(2)認知症』に続く第3弾としての発刊。いずれも日本医師会のサイトに全ページがpdfで掲載されており、ダウンロード可能。
超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(3)糖尿病
《目次》
1.糖尿病の現状と治療総論
2.高齢者糖尿病における認知機能障害と身体機能障害(ADL低下、サルコペニア、フレイル)
3.高齢者糖尿病の血糖コントロール目標設定
4.高齢者糖尿病の治療
1)総論
2)高齢者糖尿病の食事療法
3)高齢者糖尿病の運動療法
4)シックデイの対策
5.高齢者糖尿病の薬物療法(総論)
6.高齢者糖尿病の薬剤使用の注意点
7.高齢者糖尿病の低血糖
1)低血糖の特徴 2)低血糖の対策 8.糖尿病における高齢者総合機能評価(CGA)
(ケアネット 堀間 莉穂)