小学生の食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)の有病率は、中学生のそれと比べて有意に低いことが、神奈川県立足柄上病院の真部 哲治氏らの研究により明らかになった。また、主な原因食物は小麦であった。Pediatrics International誌2018年4月号に掲載。
著者らは、2012年に横浜市の中学生を対象としたFDEIAに関する調査を行い、有病率が0.018%であることを明らかにしている1)。
今回は、横浜市の小学生17万146例を対象に、FDEIAの有病率と特性に関する調査を行った。横浜の公立小学校の看護教諭348人にFDEIAの発生に関するアンケートを送付し、集計データを中学生の結果と比較した。
主な結果は以下のとおり。
・17万146例中、FDEIAと診断されたのは8例であり、この小学生の有病率(0.0047%)は中学生の有病率(0.018%)と比べて有意に低かった。
・今回診断されたFDEIAの原因食物は、小麦(4件)、大豆(1件)、果物(1件)、甲殻類(1件)、イカ(1件)であった。
■参考
1)Manabe T, et al. Allergol Int. 2015;64:285-286.
(ケアネット 生島 智樹)