慢性期統合失調症患者の持効性抗精神病薬による機能改善予測因子 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/06/07 長時間作用型持効性注射剤(LAI)の抗精神病薬は、経口剤と比較して、服薬アドヒアランスを改善し、入院率を低下させることができる。パリペリドンパルミチン酸(PP)やアリピプラゾール水和物(AOM)のLAI治療は、統合失調症患者の全身機能の改善と関連している。イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のPaolo Girardi氏らは、PP、AOMで治療された慢性期統合失調症および統合失調感情障害患者における良好な全身機能の予測因子について評価を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2018年5月15日号の報告。 統合失調症または統合失調感情障害と診断された143例(男性:97例、女性:46例、平均年齢:38.24歳、SD=12.65)を、PP群またはAOM群の2群に割り付けた。LAI導入前および評価時点において、全身機能、経口剤投与量、経口治療のアドヒアランス、入院回数を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・全サンプルにおいて、より長いLAI治療時間(p<0.001)、経口剤投与量の減少(p<0.001)、LAI導入前の入院(p=0.002)、より短い罹病期間(p=0.038)は、機能の全体的評定尺度(GAF)スコアを高くすると予測された(R2=0.337)。 著者らは「統合失調症および統合失調感情障害患者の全身機能を改善するためには、AOM、PPによるLAI治療の早期開始および長期使用が重要な役割を果たす可能性がある。罹病期間の短い若年患者に対するAOM治療、再入院リスクのある患者に対するPP治療において、より良い機能改善が認められた」としている。 ■関連記事 LAIを適切に使用するための5つのポイント 維持期統合失調症、LAI使用で注意すべきポイント:慶應義塾大 統合失調症の短期治療、2つのLAIでみられる違い (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Girardi P, et al. Hum Psychopharmacol. 2018 May 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症における洞察力と服薬アドヒアランスとの関連~CATIEデータ分析 医療一般(2019/06/14) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)