うつ病に対する不眠症治療効果に関するメタ解析
不眠症はしばしばうつ病と併発しており、両疾患は相互に関連している。不眠症のための認知行動療法といった不眠症に特有の介入が、うつ病の改善に寄与する可能性がある。米国・ピッツバーグ大学のMarie Anne Gebara氏らは、うつ病と不眠症を併発している患者において、不眠症の治療がうつ病の改善に寄与するかについて、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2018年5月21日号の報告。
うつ病と不眠症を併発している患者のうつ症状に対する不眠症治療効果を調査するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・3,815件の研究をレビューし、23件の研究が包括基準を満たした。
・すべての研究において、うつ病のアウトカムに対する不眠症治療の臨床効果を示唆していたが、大部分の結果では統計学的に有意な差は認められなかった。
・介入方法と集団は多様であったが、メタ解析において、ハミルトンうつ病評価尺度(エフェクトサイズ:-1.29、95%CI:-2.11~-0.47)およびベックうつ病評価尺度(エフェクトサイズ:-0.68、95%CI:-1.29~-0.06)で測定した、うつ症状改善の中~大のエフェクトサイズが得られた。
著者らは「これらの結果は、うつ病患者に対する不眠症治療が、気分症状に良い影響をもたらすことを示唆している。不眠症特有の介入により改善されるうつ病患者のサブタイプを特定し、不眠症治療が気分症状を改善するメカニズムを明らかにするためには、さらなる検討が必要である」としている。
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