PD-L1発現1%未満のNSCLC1次治療、ニボルマブ+化学療法でPFS改善(CheckMate-227)/ASCO2018

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/06

 

 ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベル第III相CheckMate-227試験。本年の米国がん研究会議年次集会(AACR2018)およびN.Engl.J.Med誌にて、高腫瘍変異(TMB-H)患者においてニボルマブ+イピリムマブ群が化学療法単独に比べ有意にPFSを改善した結果が発表されている。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)では、米国Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏により、PD-L1(TPS)1%未満の患者におけるニボルマブ+化学療法と化学療法単独群を比較した無増悪生存期間(PFS)の結果が発表された(最低追跡期間は11.2ヵ月)。

試験デザイン
・試験対象:PD-L1発現1%以上および1%未満のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者
・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群
     ニボルマブ単独群(TPS1%以上)
     ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満)
・対照群:化学療法(組織型により選択)単独
・評価項目
 [複合主要評価項目]高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群のPFS、PD-L1発現(≧1%)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法群の全生存期間(OS)
 [副次評価項目]高TMB(≧13/メガベース)かつPD-L1発現(TPS1%以上)患者におけるニボルマブ単独群対化学療法群のPFS、高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法群のOS、PD-L1なしまたは低発現(TPS1%未満)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法群のPFS。そのほか奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性など

 主な結果は以下のとおり。
・患者はニボルマブ+化学療法群177例と化学療法単独群186例に割り付けられた
・全体のPFSは、ニボルマブ+化学療法群5.6ヵ月に対し、化学療法単独群4.7ヵ月、1年PFS率はそれぞれ、26%と14%であった(HR:0.74、95%CI:0.58~0.94)
・PFSをTMB別にみると、TMB-H(10mut/メガベース以上)では、それぞれ6.2ヵ月と5.3ヵ月、1年PFS率は27%対8%(HR:0.56、0.35~0.91)であり、低TMB(TMB-L=10mut/メガベース未満)では、両群共に4.7ヵ月、1年PFS率は18%対16%であった(HR:0.87、0.57~1.33)
・全体のORRは、ニボルマブ+化学療法群36.7%に対し、化学療法単独群23.1%であった。
・ORRを腫瘍変異負荷(TMB)別にみると、TMB-Hでは、それぞれ60.5%と20.8%、TMB-Lでは27.8%と22.0%であった
・全Gradeの治療関連有害事象は、ニボルマブ+化学療法群92%に対し、化学療法単独群では77%。Grade3/4ではそれぞれ52%と35%であった

(ケアネット 細田 雅之)