日本人高齢者のライフスタイル活動と認知症リスク 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/26 高齢化や慢性疾患状態の増加に伴い、認知症の有病率は上昇している。国立長寿医療研究センターの島田 裕之氏らは、日本の地域在住の高齢者における、日常生活や社会的役割を含むライフスタイル活動と認知症発症との関連について調査を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2018年8月21日号の報告。 65歳以上の高齢者4,564例を対象に、年齢、性別で層別化し、縦断的研究を行った。ライフスタイル活動、認知症のリスク因子、認知症の新規発症を調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・平均42.6ヵ月後、認知症の新規発症は219例(4.8%)であった。 ・Cox比例ハザード回帰モデルを用いた生存分析において、認知症発症率が有意に低かった因子は以下のとおりであった。 ●日常的な会話(ハザード比[HR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.35~0.89、p=0.015) ●自動車運転(HR:0.63、95%CI:0.45~0.88、p=0.007) ●ショッピング(HR:0.57、95%CI:0.34~0.96、p=0.033) ●フィールドワークまたはガーデニング(HR:0.71、95%CI:0.54~0.94、p=0.016) 著者らは「高齢者における特定のライフスタイル活動は、認知症を予防するうえで、重要な役割を果たすと考えられる。また、認知症の予防のための活動は、年齢や性別により異なる可能性がある」としている。 ■関連記事 認知症予防にベンゾジアゼピン使用制限は必要か 魚を食べると認知症は予防できるのか 脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shimada H, et al. Geriatr Gerontol Int. 2018 Aug 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 フレイルの健診に有用なテキスト公開/国立長寿医療研究センター 医療一般(2020/07/01) 認知症有病率の日本のコミュニティにおける20年間の推移 医療一般 日本発エビデンス(2022/07/14) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 出産女性へのトラネキサム酸予防投与、出血リスクを軽減/Lancet(2024/11/08) 無症候性重症AS、早期TAVR vs.経過観察/NEJM(2024/11/08) 早期初潮がうつ病と関連〜メタ解析(2024/11/08) 運動しても血圧が低下しない人とは?(2024/11/08) MET exon14スキッピングNSCLC、グマロンチニブの日本人データ(GLORY)/日本肺癌学会(2024/11/08) 乳がん薬物療法の最新トピックス/日本癌治療学会(2024/11/08) 次世代のCAR-T細胞療法―治療効果を上げるための新たなアプローチ/日本血液学会(2024/11/08) 大半の米国人が睡眠不足で日中の眠気に悩まされている(2024/11/08) [ あわせて読みたい ] IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08)