境界性パーソナリティ障害の特性と自殺リスクに対する睡眠の役割 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/11/06 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自殺リスクや睡眠に関する問題(不眠症や悪夢を含む)と高率に関連している。米国・ミシシッピ州立大学のHilary L. DeShong氏らは、不眠症および/または悪夢を介する自殺リスクに対するBPDの特性の潜在的な間接的影響を評価するため、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 Amazon's Mechanical Turkより参加者を募集し、オンラインで281例の研究を完了した。参加者より、BPD特性、BPD症状、自殺リスク(自殺念慮歴、自殺企図歴)、不眠症、悪夢に関連する苦痛や障害を測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・BPD特性および症状は、自殺リスク、不眠症、悪夢と中等度から高度に関連していた。 ・parallel mediationモデルでは、不眠症状においては、BPD特性と自殺リスクに間接的影響があると認められたが、悪夢においては認められなかった。 著者らは、本研究の限界として、対象が臨床サンプルでなく一般集団であった点、自己報告尺度のみに依存している点を挙げ、今後の研究においては、観察者報告(observer report)や面接調査法を用いて、臨床サンプルにおけるこれらの関連性を調査することが求められると述べている。また、「BPD特性は、睡眠に関する問題(とくに不眠症)を介して、自殺リスク増加に影響していると考えられる。そのため、BPD患者の睡眠障害を評価し、治療することは、自殺リスク低下に寄与する可能性がある」とまとめている。 ■関連記事 境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か 境界性パーソナリティ障害治療の現状 境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら DeShong HL, et al. J Affect Disord. 2018 Oct 9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 境界性パーソナリティ障害でみられる幻覚の正体は 医療一般(2014/08/08) 首つりした人の多くは、その後1年以内に同じ方法で自殺に成功:未遂者約5万人の解析 ジャーナル四天王(2010/08/06) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 貧血を伴う動脈瘤性くも膜下出血の輸血、非制限戦略vs.制限戦略/NEJM(2024/12/24) 日本人双極症外来患者におけるアルコール依存症合併率とその要因〜MUSUBI研究(2024/12/24) 乳がん再発予測、ctDNA検査はいつ実施すべき?示唆を与える結果(ZEST)/SABCS2024(2024/12/24) DOACとスタチンの併用による出血リスク(2024/12/24) 不規則な睡眠習慣は主要心血管イベントリスクを高める(2024/12/24) 超加工食品の大量摂取は活動性乾癬と関連(2024/12/24) GLP-1RAによる肥満治療が食品ロスを増やしている(2024/12/24) 口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究(2024/12/24) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)