METエクソン14スキッピング変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の約3〜4%に同定される。この変異はドライバー遺伝子と考えられている。また、深刻な予後不良因子であり、標準治療にも免疫治療にも奏効しにくい。MET阻害薬capmatinib(INC280)は、MET受容体に高い親和性を持つTKIで、最も強力なMETエクソン14スキッピング阻害薬であり、単独およびEGFR-TKIとの併用でMET変異NSCLCに対し、有効性と管理可能な安全性プロファイルを示している。
GEOMETRY mono-1は、EGFR野生型、ALK融合遺伝子陰性、MET遺伝子増幅および/またはMETエクソン14スキッピング変異を有する成人NSCLC患者におけるcapmatinib単剤の有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検第II相試験。MET増幅患者とMETエクソン14スキッピング変異に分けて解析される。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、METエクソン14スキッピング変異患者の解析結果が、治療歴のある患者群(コホート4)と、未治療の患者群(5B)に分けて発表された。
・対象
[コホート4]1~2ラインの治療歴を有するMETエクソン14スキッピング変異のあるStageIIIB/IVのNSCLC
[コホート5B]治療歴のないMETエクソン14スキッピング変異NSCLCのあるStageIIIB/IVのNSCLC
・介入:capmatinib(400mg×2/日)
・評価項目
[主要評価項目]盲検下独立判定委員会(BIRC)評価による全奏効率(ORR)
[副次評価項目]BIRCによる奏効期間(DOR)など。
主な結果は以下のとおり。
・コホート4は69例、コホート5Bは28例であった。
・有効性は94例(コホート4は69例、コホート5Bは25例)、安全性は302例で評価された。
・BIRC評価のORRは、コホート5Bで72.0%(50.6~87.9)、コホート4では39.1%(27.6~51.6)であった。
・病勢コントロール率は、コホート5Bで96.0%、コホート4では78.3%であった。
・解析時点でのDORは未到達であった。
・capmatinibの有害事象の発現率は、全Gradeで83.8%、Grade3/4は33.1%であった。主なものは、末梢浮腫、悪心、嘔吐、および血中クレアチニン値の上昇であった。
(ケアネット 細田 雅之)