BMIは脂肪を非脂肪と区別せず、脂肪分布を無視し、健康への影響を検出する能力が不明とのことで批判されている。今回、英国・ブリストル大学のJoshua A. Bell氏らは、心代謝特性との関連においてBMIと二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)による全身および局所の脂肪指数(fat index)を比較した。その結果から、腹部の肥満が心代謝障害の主因であり、その影響の検出にBMIが有用なツールであることが支持された。Journal of the American College of Cardiology誌2018年12月18日号に掲載。
著者らは、英国での親と子供の縦断研究Avon Longitudinal Study of Parents and Childrenの子供2,840人において、10歳時と18歳時にBMIおよびDXAによる全身・体幹・腕・脚の脂肪指数(kg/m2)を測定し、18歳時の230種類のメタボロミクスの項目との関連を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・10歳時に全身脂肪指数およびBMIが高値であることが、18歳時に収縮期および拡張期血圧高値、高VLDLおよび高LDLコレステロール、低HDLコレステロール、高トリグリセライド、高インスリンおよび高アセチル糖タンパク質といった心代謝特性と関連することが示された。
・18歳時の全身脂肪指数とBMIの関連は強く、10歳から18歳までの各指標の増加も強く関連した(例 アセチル糖タンパク質の増加は、全身の脂肪指数のSD単位増加当たり0.45SD[95%信頼区間:0.38~0.53]vs. BMIのSD単位増加当たり0.38SD[同:0.27~0.48])。
・心代謝特性との関連は、BMI・全身の脂肪指数・体幹の脂肪指数で類似していた。
・非脂肪指数(lean mass index)高値は心代謝特性との関連は弱く、脂肪指数高値に防御的ではなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)