仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/01/08 ストレスを伴う仕事とベンゾジアゼピン長期使用との関連について、フランス・パリ第5大学のGuillaume Airagnes氏らが調査を行った。American Journal of Public Health誌オンライン版2018年11月29日号の報告。 フランスの人口ベースCONSTANCESコホートへ2012~16年に参加した男性1万3,934例、女性1万9,261例を対象に、日々の仕事を調査し、ストレス頻度の評価を行った。ベンゾジアゼピン長期使用は、drug reimbursement administrativeレジストリを用いて検討を行った。ベンゾジアゼピン長期使用のオッズ比(OR)の算出には、性別で層別化し、年齢、教育、地理的剥奪指標(area deprivation index)で調整し、ロジスティック回帰を行った。職業グレード、職場ストレス、うつ病、健康状態自己評価、アルコール使用障害を、追加の層別化変数とした。 主な結果は以下のとおり。 ・ベンゾジアゼピン長期使用は、ストレス曝露と正の相関が認められた。高ストレス群(しばしば/いつも)vs.低ストレス群(まれに/まったく)のORは、男性で2.2(95%信頼区間[CI]:1.8~2.8)、女性で1.6(95%CI:1.4~1.9)であり、用量依存性が認められた(傾向p<0.001)。 ・調整後や他の個人的または環境的脆弱性因子を有さないサブグループ解析においても、同様の結果が得られた。 著者らは「ストレスの多い仕事は、ベンゾジアゼピン長期使用リスクを高める。ベンゾジアゼピン長期使用による負荷の低減を目的とした予防プログラムは、このような特定集団において有益であろう」としている。 ■関連記事 ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は 重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリは ストレスやうつ病に対する朝食の質の重要性 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Airagnes G, et al. Am J Public Health. 2018 Nov 29. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピン系睡眠薬とアルコールの併用率を日本の精神科外来患者で調査 医療一般 日本発エビデンス(2019/05/15) 抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法に関連する死亡リスク 医療一般(2021/01/08) うつ病患者へのベンゾジアゼピン併用、リスクとベネフィットは 医療一般(2017/06/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 5~24歳の肥満者数、この30年で3倍に/Lancet(2025/03/14) プロテインS異常、血栓症と関連/JAMA(2025/03/14) 脳保護薬nerinetideは血栓溶解療法を行わない血栓除去術施行患者に有効か?(解説:内山真一郎氏)(2025/03/14) 病院の6割超が赤字、2026年度改定に向け合同声明を公表/日医ほか(2025/03/14) CRAFITYスコア2点の肝細胞がん1次治療、レンバチニブvs.免疫療法/日本臨床腫瘍学会(2025/03/14) 週末2~3時間のキャッチアップ睡眠でCKDリスク低下(2025/03/14) 炎症性関節炎患者に対するメンタルヘルスケアには課題あり(2025/03/14) 標準治療+アニフロルマブが全身性エリテマトーデス患者の臓器障害の進行を抑制(2025/03/14) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09)