統合失調症患者への非定型抗精神病薬治療に対する治療反応不良の早期予測因子 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/01/15 非定型抗精神病薬で治療されている統合失調症患者における精神症状の早期改善や最終治療反応との関連を調査し、治療法の切り替えまたは継続を判断する最適な時期について、台湾・国立中山大学のYi-Lung Chen氏らが検討を行った。また、臨床的治療反応の予測因子についても検討を行った。BMC Psychiatry誌2018年12月4日号の報告。 急性増悪統合失調症患者111例を無作為化し、オランザピン、リスペリドン、パリペリドンによる至適治療を1週間の導入期間および12週間の介入期間で行い評価した。全対象患者は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いて評価した。早期治療反応(PANSSスコア25%減少と定義)は、第1、2、3、4、8週目に評価し、これらの評価を用いて第12週目の最終治療反応(PANSSスコア25%減少)を予測した。著者らは、第1または2週目の早期治療反応が、第12週目の治療アウトカムを予測できると仮定した。 主な結果は以下のとおり。 ・第2週目の早期治療反応における陰性的中率(NPV)は93.6%で、1週目(69.7%)、3週目(91.5%)、4週目(90.7%)、8週目(87.2%)よりも高値であった。 ・陽性的中率は、第4週目(65%)まで許容された。 ・本研究では、最終治療反応と関連する抗精神病薬の種類や用量を含む他の潜在的な予測因子は認められなかった。 著者らは「NPVに関しては、第2週目の治療反応不良は、第12週目の最終治療反応不良を予測した。本知見は、統合失調症患者において治療開始2週目で治療反応が得られなかった場合、治療戦略を再考すべきであることを示唆している。また、治療開始2週目で治療反応が得られた場合、継続的に治療反応が得られるかを評価するため、さらに2週間を要する」としている。 ■関連記事 治療抵抗性統合失調症は予測可能か 抗精神病薬の早期治療反応は、長期治療効果を予測可能か 統合失調症患者の性格で予後を予測 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Chen YL, et al. BMC Psychiatry. 2018;18:376. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)