神経性やせ症に対するオランザピンとプラセボの無作為化比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/05 神経性やせ症の成人外来患者に対するオランザピンの有用性について、米国・コロンビア大学アービング医療センターのEvelyn Attia氏らが、プラセボと比較し評価した。The American Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年1月18日号の報告。 神経性やせ症の成人外来患者152例(女性の割合:96%、平均BMI:16.7)を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験を、北米の5ヵ所で実施した。対象患者は、オランザピン群またはプラセボ群に1:1にランダムに割り付けられ、16週にわたり毎週評価された。主要アウトカムは体重と強迫観念の変化率とし、Yale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(YBOCS)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・オランザピン群75例、プラセボ群77例であった。 ・統計学的に有意な、治療と時間経過の相互作用が観察され、オランザピン群では経時的なBMI増加が大きかったことが示唆された(0.259/月[SD=0.051]vs.0.095/月[SD=0.053])。 ・経時的なYBOCS強迫観念サブスケールスコアの変化において、両群間で有意な差は認められず(-0.325ポイント/月vs.-0.017ポイント/月)、潜在的な代謝障害を評価する血液検査において、両群間に異常頻度の有意な差は認められなかった。 著者らは「神経性やせ症の成人外来患者におけるオランザピン治療は、プラセボと比較し、体重に対する治療効果がわずかに認められたが、心理的症状に対する効果は認められなかった。しかし、この疾患における体重コントロールは重要な課題であり、体重についての本知見は注目に値する」としている。 ■関連記事 摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー 摂食障害プログラム、オランザピンの使用は 拒食に抗精神病薬、その是非は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Attia E, et al. Am J Psychiatry. 2019 Jan 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム 医療一般(2017/09/13) オランザピン服用患者の一部で認められる糖尿病などの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 疫学(予後) 日本発エビデンス(2013/08/30) 摂食障害の薬物療法に関するWFSBPガイドライン2023 医療一般(2023/08/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)