緑内障の新しい治療薬、その効果は?

提供元:ケアネット

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公開日:2019/02/18

 

 米国・コロラド大学のMalik Y. Kahook氏は、高眼圧患者を対象としたランダム化二重盲検比較試験において、netarsudil点眼液0.02%1日1回投与は、大部分の患者において、12ヵ月にわたり眼圧(IOP)低下効果を示し、忍容性も良好であることを示した。netarsudilは、Rhoキナーゼ(ROCK)およびノルエピネフリントランスポーター(NET)の両者を阻害する新しい緑内障治療薬。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2019年1月14日号掲載の報告。

 研究グループは、開放隅角緑内障(OAG)および高眼圧症(OHT)に対するnetarsudil点眼液0.02%の有効性および安全性を評価する多施設共同ランダム化二重盲検非劣性試験を行った。

 対象は、OHT患者756例で、前治療薬のウォッシュアウト後、netarsudil点眼液0.02%1日1回投与群(251例)、netarsudil点眼液0.02%1日2回投与群(254例)、またはチモロール点眼液0.5%1日2回投与群(251例)に無作為に割り付け、12ヵ月間投与した。同様に、渦状角膜を呈している患者に対する非介入研究Corneal Observation Study(COS)も行った。

 主な結果は以下のとおり。

・治療により、午前8時に評価した平均IOPは、ベースラインの22.5~22.6mmHgから12ヵ月間低下し、netarsudil点眼液0.02%1日1回投与群:17.9~18.8mmHg、netarsudil点眼液0.02%1日2回投与群:17.2~18.0mmHg、チモロール点眼液0.5%1日2回投与群:17.5~17.9mmHgであった
・主な有害事象(AE)は眼症状で、最も頻度が高かったのは結膜充血だった。発現率はそれぞれ61%、66%、14%であった。次いで角膜への沈着(渦状角膜)は、それぞれ26%、25%、1%、結膜出血(点状出血)は、それぞれ20%、19%、1%であった。
・試験期間中、これら3つのAEは散発的に発生したが、いずれも軽度であった。
・本試験の一部として行った非介入研究によると、渦状角膜による視機能への影響はなかった。

(ケアネット)