統合失調症入院患者における心血管イベント 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/01 レバノン大学のGhina Al-Seddik氏らは、統合失調症患者における心血管(CV)および脳血管イベントと死亡率を評価するため、フラミンガムリスクスコア(FRS)および動脈硬化性疾患(ASCVD)のスコアによる予測能について比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2019年2月10日号の報告。 対象は、2013年1月から入院中の統合失調症患者329例。CVイベントを検出するため患者のカルテをレビューした。 主な結果は以下のとおり。 ・平均フォローアップ期間は41.07±12.55ヵ月であった。 ・フォローアップ期間中に29件のCVイベントが認められた。内訳は、心筋梗塞4件、脳卒中1件、心不全6件、CV死18件であった。 ・CVイベント発生率の主要複合アウトカムは9.0/100患者年、2次複合アウトカムは7.2/100患者年であった。 ・FRSスコアによる高CVR患者と低CVR患者の生存曲線の間には、有意な傾向が認められた(RR:1.90、p=0.078)。 ・ASCVDにより高CVリスクと分類された患者では、CV生存率の低下が認められた(RR:3.35、p=0.005)。 著者らは「重度の精神疾患患者の医学的評価では、ASCVDの評価を行うべきである」としている。 ■関連記事 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 統合失調症の心血管リスク、その出現時期は 抗精神病薬間で虚血性脳卒中リスクに違いはあるか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Al-Seddik G, et al. Int J Psychiatry Clin Pract. 2019 Feb 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COVID-19の世界的流行がとくに影響を及ぼした疾患・集団は/BMJ(2025/07/15) 1型糖尿病薬zimislecelが膵島機能を回復/NEJM(2025/07/15) 双極症とうつ病における白質変化の共通点と相違点(2025/07/15) 日本人の妊娠関連VTEの臨床的特徴と転帰が明らかに(2025/07/15) 尿路感染症への抗菌薬、フロモキセフvs.セフメタゾール/徳島大ほか(2025/07/15) 薬に頼らず膝の痛みを軽減するには装具がベスト(2025/07/15) トーキングセラピーが脳卒中後の抑うつや不安を改善(2025/07/15) 大腸がんスクリーニング、CT検査が便中DNA検査よりも有用か(2025/07/15) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.小松のとことん病歴ゼミ (2018/09/07) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3(2018/08/07) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 抗凝固薬特集まとめインデックス(2018/07/01) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1(2018/04/07)