肉の摂取頻度が認知症リスクと関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/22 これまで、食物摂取と認知症リスクとの関連は、初発症状バイアス(逆因果関係)の可能性を考慮して研究されていなかった。フランス・モンペリエ大学のLaure Ngabirano氏らは、肉、魚、果物、野菜の摂取頻度と認知症やアルツハイマー病(AD)の長期リスクとの関係について、初発症状バイアスを考慮して検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌2019年号の報告。 12年間に2~4年ごとのフォローアップを行ったThree-city studyより、65歳以上のボランティア5,934例のデータを分析した。食物摂取は、簡潔な食物摂取頻度アンケートを用いて評価した。各フォローアップ時に、認知症症状の有無を調査した。初発症状バイアスリスクを制限するため、データの組み入れから最初の4年間に発生したすべての認知症症例を分析から除外した。社会人口統計、生活様式、健康要因で調整した後、Cox比例ハザードモデルを用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・平均フォローアップ期間は、9.8年であった。 ・フォローアップ期間中の認知症発症者数は、662例であった(AD発症者数466例を含む)。 ・調整後、肉の摂取が少ないこと(1回以下/週)だけが、通常の摂取(4回以上/週)と比較し、認知症(HR:1.58、95%CI:1.17~2.14)およびAD(HR:1.67、95%CI:1.18~2.37)のリスク増加と関連が認められた。 ・魚、果物、野菜の摂取と認知症またはADリスクとの間に関連性は認められなかった。 著者らは「肉の摂取がかなり少ないと、認知症やADの長期リスクを増大させることが示唆された。これまでの研究からの知見は、初発症状バイアスが影響を及ぼした可能性がある」としている。 ■関連記事 日本食は認知症予防によい:東北大 魚を食べると認知症は予防できるのか 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ngabirano L, et al. J Alzheimers Dis. 2019;68:711-722. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 高圧処理後のブレンド玄米による認知症や2型糖尿病予防の可能性 医療一般 日本発エビデンス(2022/04/19) 日本人高齢者における野菜・果物の摂取と認知症リスク~久山町研究 医療一般 日本発エビデンス(2022/05/12) 認知症で修正可能な危険因子は?~ランセット認知症予防モデルを検証 医療一般(2022/12/02) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] CKDへのエンパグリフロジン、中止後も心腎保護効果が持続/NEJM(2024/11/07) 肥満の膝OA患者へのセマグルチド、疼痛を改善/NEJM(2024/11/07) さじ加減で過降圧や副作用を調整している医師にとっては3剤配合剤の有用性は低い(解説:桑島巌氏)(2024/11/07) 「大腸癌治療ガイドライン」、主な改訂ポイントを紹介/日本癌治療学会(2024/11/07) 早期アルツハイマー病治療薬ケサンラの臨床的意義とは/リリー(2024/11/07) 造血器腫瘍も遺伝子パネル検査の時代へ/日本血液学会(2024/11/07) 乳がんにおけるADCの使いどころ、T-DXdとSGを中心に/日本癌治療学会(2024/11/07) 運動を週末にまとめてしても、200種類の疾患リスクが減少(2024/11/07) ベンゾジアゼピン中止戦略、マスクした漸減+行動介入の効果(2024/11/07) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)