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出産前後の日本人女性に対する抗てんかん薬処方~健康管理データベースからの検討 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/30 東北大学の石川 智史氏らは、出産前および産後の日本人女性に対する抗てんかん薬(AED)の処方率および処方パターンについて、大規模データベースを用いて評価を行った。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2019年3月10日号の報告。 公表されているアルゴリズムまたは乳児の生年月日を用いて、妊娠開始日および出産日を推定した。AEDの処方率、最大用量、併用療法の頻度について、妊娠開始前180日、妊娠中、産後180日で評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・分析対象は、妊婦3万3,941人。 ・AEDが1剤以上処方されていた妊婦は、妊娠前180日~産後180日の期間で225人(66/1万分娩)、妊娠中では135人(40/1万分娩)であった。 ・AEDの処方率は、妊娠第1期、2期で減少し、妊娠第3期および産後に増加した。 ・最も頻繁に処方された薬剤はバルプロ酸であり、次いでクロナゼパム、ラモトリギン、カルバマゼピンであった。 ・妊娠第1期にバルプロ酸を1回以上処方された妊婦49人のうち9人(18.4%)は、バルプロ酸600mg/日超で処方されていた。 ・併用療法の可能性について、2剤以上のAED処方は、妊娠前180日~産後180日の期間で40人(12/1万分娩)、妊娠中で31人(9/1万分娩)であった。 著者らは「日本人妊婦に対しては、さまざまなAEDが処方されていた。妊娠可能年齢の女性では、リスクとベネフィットのプロファイルに応じて、妊娠前に適切なAEDを選択する必要がある」としている。 ■関連記事 妊娠可能年齢のてんかん女性に対するレベチラセタム単独療法 スペインにおける妊娠中の抗てんかん薬使用に関する比較研究 妊娠中の抗うつ薬使用パターンに関するコホート研究 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ishikawa T, et al. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2019 Mar 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害治療薬 ラモトリギン(商品名:ラミクタール) 新薬情報(2011/08/29) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 動機付け面接などの行動介入で、身体活動は増える?97試験のメタ解析/BMJ(2024/07/19) ニルセビマブ、乳児のRSV感染症入院リスクを83%減少/NEJM(2024/07/19) 局所進行食道がんに対する術前補助療法として3剤併用化学療法が標準治療となるか?(解説:上村直実氏)(2024/07/19) 蕁麻疹の診断後1年、がん罹患リスク49%増(2024/07/19) 日本のリアルワールドデータから考える高リスクmHNPCの治療選択(J-ROCK)(2024/07/19) 小児・青年に対する抗精神病薬の生理学的影響の比較〜ネットワークメタ解析(2024/07/19) 片頭痛の予防薬は薬物乱用頭痛も減らす?(2024/07/19) オーラルフレイルは死亡リスクと独立して関連(2024/07/19) [ あわせて読みたい ] 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) 開発中の治療法最前線(2020/02/17) 希少疾病・難治性疾患特集 2020(2020/02/03) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25)