MET阻害薬tepotinibのMETΔex14変異NSCLCに対する効果(VISION)/ASCO2019

提供元:ケアネット

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公開日:2019/06/14

 

 METエクソン14スキッピング変異(METΔex14)は非小細胞肺がん(NSCLC)の3~4%にみられる。tepotinibはMET受容体チロシンキナーゼ(c-MET)に高い選択性を有するMET-TKIであり、わが国でも非小細胞肺がんに対する先駆け審査指定制度対象品目に指定されている。VISION試験は、MET遺伝子変異を有するNSCLCに対するtepotinibの第II相シングルアーム試験で、コホートA(MET△ex14対象)とコホートB(MET増幅対象)に分かれる。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)ではコホートAの結果について発表された。

・対象:StageIIIB/IVのMETΔex14(MET遺伝子増幅/遺伝子コピー数にかかわらない)NCSLC患者
・介入:tepotinib(500mg/日)
・評価項目:[主要評価項目]独立判定委員会評価(IRC)による全奏効率(ORR)
[副次評価項目]治験担当医によるORR、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、健康関連QOL

tepotinibによるDOR中央値は14.3ヵ月

 tepotinibのMETΔex14変異NSCLCに対する効果を評価した主な結果は以下のとおり。

・105例のMETΔex14患者が登録され、87例がtepotinibの治療を受けた。
・IRC評価のORRは、リキッドバイオプシーによる陽性患者では50.0%、組織生検による陽性患者では45.1%であった。
・治験担当医評価のORRは、リキッドバイオプシーによる陽性患者では55.3%、組織生検による陽性患者では45.1%であった。
・DOR中央値は14.3ヵ月であった。
・IRC評価のPFS中央値は、リキッドバイオプシーによる陽性患者では9.5ヵ月、組織生検による陽性患者では10.8ヵ月でであった。
・治験担当医評価のPFS中央値は、リキッドバイオプシーによる陽性患者では9.5ヵ月、組織生検による陽性患者では12.2ヵ月であった。
・tepotinibによる全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)発現率は81.6%、Grade3の発現率は19.5%で、Grade4以上のものはなかった。頻度の高いものは末梢浮腫、悪心、下痢などであった。
・TRAEによる治療中止は4例であった。

(ケアネット 細田 雅之)