デュルバルマブの肺がんCCRT維持療法、3年後も一貫した効果(PACIFIC)/ASCO2019

提供元:ケアネット

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公開日:2019/07/03

 

 化学放射線同時併用療法(CCRT)を受けた切除不能Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第III相PACIFIC試験において、デュルバルマブは無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の有意な改善を示した。本年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)では、PACIFIC試験の3年OSデータが発表された。

・対象:CCRT後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者
・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例)
・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例)
・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定によるPFS、OS
[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間の中央値は33.3ヵ月。
・データカットオフ時(2019年1月31日)の死亡患者はデュルバルマブ群44.1%、プラセボ群56.5%であった。
・最新のOS中央値はデュルバルマブ群未達(38.4~NR)、プラセボ群29.1ヵ月(22.1~35.1)と、以前の報告と一貫していた(HR:0.69、95%CI:0.55~0.86)。
・12ヵ月OS率はデュルバルマブ群83.1%、プラセボ群74.6%、24ヵ月OS率は66.3%対55.3%、36ヵ月OS率は57.0%対43.5%であった。
・後治療は、デュルバルマブ群の43.3%(9.7%が免疫療法)、プラセボ群の57.8%(26.6%が免疫療法)が受けていた。

 著者らは、PACIFIC試験の最新OSデータは、CCRT後デュルバルマブの長期臨床的有益性を強調し、さらにこの集団における標準治療としてのPACIFICレジメンを確立するものだとしている。

(ケアネット 細田 雅之)